メルクマール

許嫁と無理やり結婚させられそうになり、それから逃げまわるという、よくあるコメディではあります。でもこの作品ですから、一筋縄では行かないのでしょう。

ポイントは、モハンとルナ王女の目的ですね。表向きの目的ははっきりしていますが、はたして信用できるのかどうか。地球全体を特殊スクリーンで覆い、宇宙で行われていることを隠していたわけですが、なぜ隠す必要があったのでしょうか。モハンが言う通りの「来賓」であれば、別にバカ王子たちに隠す必要は無いはずです。隠したということは、後ろ暗いことがある予感。

バカ王子は、モハンとルナ王女がグルで何かを企んでいるのではと疑っていて、それが口を突いて出たのが、「ねえモハン、あの子のこと、好きなの？」という言葉なのでは。

では何を企んでいるかですが、ありがちなのはモハンが実は王位を継ぎたい、というパターンですが、それは無さそうな気もします。そうであれば、王子を泳がせて期限切れにすればよいだけなので。

となると、たくらみはルナ王女の方でしょうか。マグラ星はドグラ星の属国で、独立運動もあったそうなので、彼女が独立を志しても不思議は無いのかもしれません。となると、あの大量の艦隊は反乱軍でしょうか。

今回のタイトルが『Half moon』で、次回が『Full moon』というのも意味深です。Full moon とは満月ですが、ここが絶頂で、あとは欠けるしかないという良くない意味もあるのですよね。

子供の頃のバカ王子が印象的でした。極端な無口で、不機嫌で、子供らしくありません。頭が良すぎるために、子供の頃は、自分の境遇がツマらなくて仕方なかったのでしょう。結婚相手さえ、自由に選べないのだから。あの「不機嫌な子供」が、彼の本来のパーソナリティだと思えます。今の能天気な様子は、その本質を隠すためのカモフラージュだとしたら、なかなか複雑な人物だなぁと思ったのでした。

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