メルクマール

なかなか進展しなくてもどかしいのですが、そういうもどかしさを与えるのも狙いのうちでしょう。2期の1話からずっと、爽子の脳内は以下の思考がぐるぐると堂々巡りしています。

ここから脱却するには、どんなキッカケがあるのかなと思っていたのですが、大きなキッカケではなくて、小さなことの積み重ねだったよですね。

まず、「１） 風早のことが特別なので、嫌われたくない」についてですが、これは三浦の言葉がヒントになりました。嫌われたくないあまりに、壁を作っていたことに気付いたのですね。以前は何でも本音で相談できていて、その時に風早がいつも全力で答えてくれていたことを思い出したのです。

「２） 風早は恩人なので、迷惑をかけなくない」については、ピンの言葉や、前回のくるみの言葉がヒントになったでしょう。「あんた、風早の何を見てきたのよ」と言われましたが、確かに、風早は爽子が可哀想だから助けたのではないし、爽子も、風早が立派だから、助けてくれたから、好きになったわけでは無いはずです。自分は風早のどこが好きになったのだろう、と彼女は自問して、いろんな表情を見せてくれること、つまり、そばにいてくれることが好きなんだ、と気付きます。

「３） 自分が風早を好きなのは、迷惑なのでは」については、学祭で「恋の悩み相談」をしたことが、一つのキッカケだったでしょうね。みんな、自分の恋のために一生懸命なのに、自分は何をしてきたのかと。告白もしないうちから、迷惑だとか気にするのはナンセンスだと気付きました。「風早君が誰が好きでも、もういい」と。

こうして、堂々巡りの輪を壊し、爽子は想いを伝える決心をしました。口下手な彼女は、ちゃんと伝えることができるでしょうか。そして、風早君のかっこいいところが久しぶりに見られるのか、楽しみですね。

爽子とくるみがすれ違うシーンが印象的でした。なにげに、くるみは爽子の最大の理解者です。同じ男を好きになった間柄だから。すれ違った一瞬の表情で、爽子が踏ん切りをつけ、これから告白することを察したのでしょう。辛いような、でもホッとしたような、複雑な心境が伝わってきました。きっと心の中で、「がんばんなさいよ。って、なんで私があんたの応援しなきゃいけないのよ！」とか思っているのでしょう。

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