メルクマール

なんだか不思議なオチでしたが、つまり、あの「エッチさん」はクレインの父親だった、ということでしょうか。　カメラを渡すときに「クレイン」と呼んでいましたが、クレインは名乗っていないはずですし。クレインの写真を撮ったのも、息子に似ていると思ったからならば頷けます。そして、映写機の話で確信したと。

すごい偶然ですが、本来ならばすれ違っていたところを、親子の絆によって引き合ったということなのでしょう。クレインのビンテージ趣味は父親譲りだったのですね。僕も、父親の影響でクルマが好きで、たまに父親と会うと、もっぱらクルマの話をしている気がします。父親は、自分が好きなものを子供に伝えますから、趣味が似てしまうところはあるでしょうね。

アラバスターは、いかにも胡散臭かったけれど、やはりグラニッツ一家よりもさらに急進的なロスミレでした。「フラクタルのターミナル」というのは、体内に埋め込まれたナノマシンで、それを除去するためのナノマシンを、ワクチンと偽って注射したのでしょう。

エッチさんは、ビンテージ物が好きなので、反フラクタルかと思いきやそうではなく、むしろ、フラクタルの恩恵を取り戻そうと尽力していました。また、フラクタルの恩恵を求めてさまよう難民もいます。フラクタルが衰えつつあるこの世界で、いろんな立場の人がいることを、描くための回でした。

フリュネがいいですね。思慮深いように見えて、妙に子供っぽかったり、意地っ張りだったりするところが、とても可愛いんじゃないでしょうか。クレインと張り合って走るところは、『未来少年コナン』のコナンとジムシィを思わせるな。そういう、古き良き”漫画映画”っぽさは、この作品の味でしょう。

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