メルクマール

街の住民が、何を聞いても同じことしか言わない、というのはRPGでよくネタにされることですが、最近のは進歩しています。僕がレビューを書いた『英雄伝説 零の軌跡』は、かなり広い街があり、多数のモブキャラがそこに住んでいて、そしてその一人ひとりが、かなりバリエーションのある会話をするのです。ストーリーの進行に沿った世間話をしたり。

日本のRPGはストーリー重視なので、ストーリーへの没入感を高めるために、こういう仕掛けは有効でしょう。今はデータ容量も多量に使えますし。でも、昔のファミコン等の低容量のRPGも、シンプルでも面白かったのは確かです。ストーリーだけなら小説なりアニメなり見ればいいわけで、やはりRPGの面白さの本質はシステムなんですよね。システムが良く、バランスが良ければ面白い。王子のRPGを、なんだかんだ言いつつ子どもたちは楽しんでいるので、いいゲームになっているようです。

子供たちが、だんだんその気になってくるのが見どころでしょう。せっかくブレスレットを外せたのに、それを捨てることができなくて、「そう仕組まれていた」と真夜君は言ってましたが、そうではなく、やはり「ヒーローになる」ことに潜在的に未練があったはずです。「そんなのダサい」という世間体が邪魔していただけで。

でも、否応なくゲーム世界に投げ込まれたことで、世間体から解放され、「ヒーローになる」という夢を解放できたことで、子供たちは、子供らしく生き生きしています。これは王子が狙ったことなのでしょうか。王子のことだから、このまま済むわけは無いけれど。

あの「パスワードのヒント」は、仕込まれていたわけではなくて、「好きな女の子」を聞き出すためのもので、遠隔操作で解除したに違いないですな。イトイリナちゃんは、どうやらピンチですが…。あるいは王子が恋のキューピッドになるのかな。

雪隆とニアミスしましたが、なかなか登場しませんな。「美歩のシャワーシーンきた！」と思ったら、先生だったし。まぁ、先生も可愛いですけどね。教師としての使命に目覚めつつあるようで。

なにげに、王子の影響で良い方向に向かいつつあるけれど、王子は感謝されることはないし、クラフトは酷い目にあうのでしょう。そういう作品だと理解しました。

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