メルクマール

まずは、ユーがとてもかっこいい。京子の猛攻撃に眉ひとつ動かさず、「死んで」の言葉だけで殺してしまうとは、まさに圧倒的です。彼女は魔力が強すぎるために、感情を動かすことも、言葉を発することも許されないという説明でしたが、たしかにここまで強力だと、それも無理はないと納得できます。

そして、ユーがとても切ない。人間の死を操るという、自分の能力が、彼女はたまらなく嫌なのでしょう。珍しく感情をあらわにし、それが隙を作って、京子に付け込まれることになりました。最強でありながら、精神的には脆いわけで、これまで何度も、それで痛い思いをしていたのでは。そのことがますます、彼女を傷つけたでしょう。

さらに、ユーがとても可愛い。すべてが終わったあと、何も無かったかのように日常風景に溶け込みながらも、彼女の表情は、前とは少し違っていて、かすかに笑顔が見られました。ここの微妙な表情の表現は、とても素晴らしいですな。全体に、ユーの作画は気合が入っていて、かっこいいユー、切ないユー、可愛いユーを満喫できました。

もちろん、ハルナやセラも良かったですよ。セラの「新しい技を考えたので、名前を考えてください」には笑った。どんな技でも『秘剣・ツバメ返し』じゃなかったのかよ！と。

京子の、狂気の表現もすごかった。何が彼女をあそこまで駆り立てたのか、それは不明なままでしたが、伏線らしきものがあったので、また登場するのでしょう。

この作品はギャグであり、結構ハードなアクションでもあり、また、”生きるとは何か”を、問いかける作品でもあるはずです。主人公はゾンビだし、ユーは冥界（死後の世界）の住人だし、ハルナもそのたぐいだと思えるし、セラは吸血鬼です。そんな、既に死んでしまっているような人々ですが、だからこそ、”生きること”について純粋に問えるのかもしれない。まだその答えは出ていませんが、あの奇妙な共同生活の中で、見えてくるものがあるのでしょう。

ポチッとして頂けると励みになります！↓