漫画家が漫画家の話を描いているということで、リアリティがハンパないので引き込まれます。バクマン。 第18話 『嫉妬と愛』 の感想。
前回の17話の記事は評価が高かった(ブログ村のクリックを多数頂いた)のですが、中井さん推しが、僕と同じ、おっさん層の支持を得たと思っています。なので、今回もまずは中井さん推しで行きますぜ!
最初に登場したときの中井さんは、くたびれた中年という感じでしたが、今回は服部雄二郎が見違えるほど、キリリとしていました。その理由の一つは、次のジャックを担う若手3人の中にあって、技術と経験ならば自分が勝っていると、思い出したことでしょう。主に福田の手柄ですね。福田はさんざん中井さんを馬鹿にしておきながら、中井のテクへの称賛も惜しみません。エイジが背景を中井さんに一任したのも、福田の推薦でした。とんだツンデレです。
そしてもう一つは、漫画が大好きな、若者三人の熱い語りを聞いているうちに、自分の情熱も思いだしたのではないでしょうか。そうだ、自分だって、子供の頃から漫画が好きで、漫画ばかり描いてきたじゃないか。漫画が好きなことについて、誰にも負けるとは思わない。
バクマンの原作者の大場つぐみさんは、『デスノート』で彗星のようにデビューした、正体不明の覆面作家ということになっていますが、正体はベテラン漫画家のガモウひろしさん、という説があるそうです。たぶんそうなのでしょう。今回、サイコーが小学生のころに書いた漫画として、『自信過剰ヒーロー ジシンマン』や『詐欺師探偵ヒカケ』というのがありましたが、これはガモウひろしさんの『臨機応変マン』や『僕は少年探偵ダン』を思わせます。
ガモウひろしさんは、1984年に赤塚賞で佳作を取りつつも、たまにフレッシュジャンプ誌に読み切りや短期連載が載るだけで、サラリーマンとの兼業作家だったそうです。1993年に『とっても!ラッキーマン』がヒットしますが、それが終わった後は、再び鳴かず飛ばずでした。
大場つぐみさんは、自分の姿をサイコーに重ねているし、川口たろうにも重ねているし、中井さんにも重ねているでしょう。中井さんにリアリティがあるのは当然なのです。
一般論として、年が行ってからのデビューは、若者よりも不利なはずです。若者は伸びシロが期待されるし、多少の欠点は育て甲斐があると見なされますが、若くない年になると、言い訳無しのものを見せなければなりません。でも、中井さんはきっとやってくれるでしょう。大場つぐみが、漫画家として歩き始めて19年後に花開いたように。
アンケートの議論が、面白かったですね。福田は、人気順に掲載されることで、人気作はアンケートで有利だと主張しますが、それはいわゆる『バンドワゴン効果』です。「勝ち馬に乗ろう」という心理ですね。 でも逆に、不人気作が打ちきりにならないように、救ってやろうという心理も働くかもしれません。いわゆる判官びいきで、『アンダードッグ効果』とも言われます。 どちらがの影響が出るかは状況次第なので、何とも言えません。
サイコーとシュージンは、コンビ解消の危機なのかな。サイコーは、二重の意味で嫉妬していますね。シュージンを伽耶に取られた気分になっているし、自分は我慢しているのにシュージンは楽しそうだ、という嫉妬もある。そこはそれ、人それぞれなのですが、それを受け入れるには精神的余裕が必要で、今のサイコーには無いでしょう。さて、雨降って地固まる、となるでしょうか。
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