メルクマール

今回はタイトルのとおり、風早がいろいろな人から「おまえは爽子のことがわかってない」と言われまくる展開でした。

まずは健人ですね。彼は女心がわかっていると自惚れているので、上から目線で「それだけ遠いなら、わからないのも仕方ない」とか「それ以上は言えない」とか思わせぶりなことを言って、風早をイラつかせます。爽子があれだけスキスキ光線を出しているのに、風早がそれに気づかないことを言っているのですが、当事者だから気づきにくいというのはあるでしょう。

健人は、風早も爽子を好きなことに気づいているでしょうけれど、あえてそこを曲解したふりをして、「浮いてる子を放っておけないという気持ちで爽子を構っているならば、それは逆効果だ」と指摘して、揺さぶりをかけます。

千鶴からも「遠い」と言われてしまったけれど、それはクラスでの立ち位置についてですね。クラスから浮き気味で、影でいろいろ言われるという点で、千鶴は爽子と近くて、だからこそ友達になれたところがある。風早はそこからは遠い、と指摘したのですが、それでさらに、風早の自信を失わせる結果になりました。千鶴は風早が爽子を好きなことを知らなかったので、知っていれば、もっと勇気付けることが言えたでしょうけど。後で知って、余計なことを言ったと後悔していました。

そしてあやねには、「避けていると誤解されるような態度を取るな」と怒られます。あやねとしては、そう言わずにはいられなかったでしょうけれど、風早はこのところずっと、「おまえは爽子のことがわかってない」と言われていたので、もう耳タコであり、むしろ「何なんだよ！」とふて腐れる結果になったようです。まぁ、あやねは他のことは知らないです、仕方ありません。

1期では、風早君は絶妙なタイミングで現れて、言ってほしいセリフを言ってくれる、完璧超人に見えました。でもそれは爽子視点だったからで、2期の風早視点で描かれるのは、恋愛に不慣れな普通の10代の少年です。1期が爽子の成長ストーリーだったのに対して、2期は風早の成長ストーリーだと言えるでしょう。

成長を描くには、伸びしろが必要なので、キャラクタが未熟なところを描くところがあります。今はまだ、未熟さを強調している段階で、風早はいろんな人に影響され、さらに迷路にはまりこんでいます。ここから成長するきっかけをつかむのは、もう少し先になるのでしょう。

それにしても、このストーリーの組み立ては見事だなと。風早と爽子は、本来は両思いで何の問題も無いのに、ラブラブだけでは物語にならないので、物語として盛り上げるためには、関係をこじれさせる必要があります。それが、あからさまな事件ではなく、ちょっとした出来事や、悪意の無い台詞で、どんどんこじれて行くのが絶妙だなと思うのでした。

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