ネクストに載るところまでは、トントン拍子だった二人ですが、連載を逃したところから迷走し始めて、ついにスランプに陥ったようです。上り調子の時には、何をやってもうまくいくのだけれど、一度下り坂になると、やることが全部裏目に出たりするものです。 服部さんに逆らってまで王道に賭けたのは、もしかしたら裏目だったのかと、サイコーたちは思い始めています。
でも、ここでまた考えを変えないほうが、きっと良いのでしょう。多少回り道でも、彼らはいくらでもやり直せるのだから、諦めるには早過ぎる。服部さんが区切った半年という猶予時間は、ちょうどいい感じです。
それにしても、服部さんの要求は高いですね。よくあるお話だから「王道」なわけですが、それなのに「目新しさが必要」とか、「編集を驚かすことをやれ」とか、なんとも難題です。 となると、いかにもな”バトル設定”は避けた方がいいのかもしれませんね。一見バトルでは無いけれど、実はバトルしているとか。要は、”友情・努力・勝利”があればいいのです。
例えば、友人同士でタッグを組んで、マンガを書く話とかどうですかね。バトルの相手は、編集者であり、読者(アンケート)であり、ライバルの若手漫画家です。これは「目新しい」設定だし、「読者が自然に入れる世界観」だと言えます。 マンガのことは誰でも知っているので、うまく描けば「何が起こっているのか分かりやすいバトル」にできるでしょう。もちろん、ライバルは主人公たちとは違うタイプの、魅力的なキャラにします。青春ストーリーになるので、「ヒロインとの恋」、「笑い」、「泣けるシーン」も入れやすいでしょう。
つまり、バクマンは彼らが書いたマンガだったという、そんなメタなお話。まぁ無いですな。
今回は伽耶がフィーチャーされるということで、彼女の視点になるのかと思ったら、シュージン視点でした。シュージンは、サイコーと美保がお互いを励みにしているのを見て、うらやましそうな顔をしていました。自分の彼女と、つい比べてしまったでしょうね。
シュージンは、これまでの人生で、壁にぶつかったことが無かったのでは。なんでも器用にやってしまうタイプなので。でもプロの世界の厳しさに触れて、始めて自信を失ってしまった。今回のシュージンは情緒不安定でした。編集者のコメントを見て大泣きしてしまうし。
走り続けるのに疲れて、ふと足を止めたとき、そばにいてくれる人に気づくものです。彼女はいつもシュージンのことに気配りしていて、でしゃばり過ぎないように気を付けつつ、シュージンを励ましていました。
パートナーって、「互いに高みを目指し、刺激しあう」タイプもいれば、「一方が頑張って、一方がそれをサポートする」タイプもあり、どちらが良いとも言えません。シュージンと伽耶は、後者がしっくりするようで、これはこれで幸せになれるでしょう。 もうシュージンは、サイコーを羨ましくは思わないはず。 大盛り上がりではないけれど、じわじわと幸福感のあるエピソードでした。
それはそれとして、『聖ビジュ』の続きが気になりますな…
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