若いうちは、大いにツッパっていいんじゃないでしょうか。バクマン。 第14話 『バトルと模写』 の感想です。
感想書くのが遅くなって、時期を逸した感がありますが、この回がオンエアされたのは”成人の日”の週末でした。新成人のニュースを見るたびに、「俺って大人になったのだろうか」と思うのですが、自分というパーソナリティが、10代の子供の頃と比べて変わったとは思えないんですよね。当時から好きなものが今でも好きだし、好奇心とかモチベーションも特に落ちてはいないし、性格が丸くなったとも思えません。
ただ、世の中と折り合いをつけるのが、多少はうまくなったでしょう。それは性格というよりも技術の問題です。若い頃は、世間に迎合せずにツッパるのがカッコイイと思っていたけれど、ハタからみると、実はそれほどカッコよくないことに気付いて、ツッパることのリスクとメリットを秤にかけるようになります。これがつまり、大人になるということなのでしょう。
でも、若いうちには大いにツッパるのがいいのです。それが多目に見られるのが、若さの特権だから。そうやってツッパったところから、新しいものが生まれたりします。例えば、ゲームクリエイターの岡本吉起さんは、新人の頃に上司の企画のゲームを作るふりをしながら、勝手に自分の企画で『タイムパイロット』を作ってしまい、上司は激怒したけれど、発売されて大ヒットしました。特にクリエイティブな分野では、そういうことはよくあります。
エイジやサイコーたちは、すごくツッパってますよね。大人の言うことなんか知ったことかと思ってる。いいんじゃないでしょうか。彼らはあまりにも若いのだから。若者の暴走の尻拭いをするのは大人の役目で、編集長はさすがの大人の対応でした。
サイコーたちとエイジの対比が、ますます鮮明ですね。サイコーたちは、ひたすら模写したり、体を張って取材するなど、努力を重ねています。一方でエイジは典型的な天才型でしょう。主人公が努力型で、ライバルが天才型というのは、実は少年漫画では珍しい構図ですけれど。
サイコーたちはエイジをライバル視していますが、エイジはそんな気持ちはありません。これは現実でもありがちな構図です。負けている人は、勝っている人にライバル心を燃やしますが、勝ってる方はそんな気持ちには気付かなくて、余裕のある態度が取れるものです。サイコーたちが追いついてきた時に、あの余裕がどうなるかが見物でしょう。
王道対邪道の対決でもありますが、サイコーたちも王道を目指すようで。でも、”邪道”という言葉が良くなくて、要は深い設定や複雑なストーリーを作れるのがシュージンの良さなので、それを取り入れたバトル漫画にすればよいのでは。うまくいけば、一般ウケも編集者ウケもするということで最強でしょう。
そんなわけで、元気のいい若者の姿を見て、今回も元気をもらいました。こんなことを言ってるとオッサン臭いですが。
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