「彼女たちは、眠りながら涙を流す」 普通の女の子だったときの記憶が、麻酔で眠っているときには夢となってよみがえるのでしょうか。 GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO- 第10話 「善意の花」 のレビューです。
あまり面白くない流れだと思って見ていました。 ヒルシャーの過去を描くエピソードとして必要なのだろうけど、やや展開が安っぽいというか、無茶しすぎで共感できないところがあり。
でも、ラストで全部許せる気持ちになりましたよ。ラシェルは、「世の中捨てたもんじゃない」と言って死にましたが、彼女は確かに、トリエラに素晴らしい贈り物をしました。彼女があげた「母親の記憶」は、戦闘マシーンになってしまったトリエラにとって、唯一の「優しい記憶」かもしれないから。
トリエラの表情など演出も良かったと思いますが、ちょっと残念なのは、音楽とのシンクロがもう一つなところです。マンドリンによる物悲しい調べはとても良いので、トリエラが「お母さん」の話をするところで、音楽の方もぐっと盛り上げてくれたら、感動が5割増しだったろうにと思うのですが。
あの医者も、さりげなく良かったんじゃないでしょうか。普段はトリエラたちを、「義体」というモノとして冷徹に扱っているけれど、涙を見たときには「彼女たち」と呼びました。 そして、目が覚めたときに話を聞いてあげるために、そばで待っていたのでしょう。話を聞くのはヒルシャーではなく、あの医者である必要がありました。 ヒルシャーには、あんな無防備なところは見せないだろうから。
二期のクライマックスは、トリエラとピノッキオの対決であることは明らかですが、それに向けて盛り上がってきました。トリエラを掘り下げるエピソードとして良かったと思います。ヒルシャーの掘り下げは、やや微妙だけれども。
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