メルクマール

僕がキミトドで一番好きなキャラは、くるみなのですよ。1期のヒロインはくるみだとさえ思います。1期の最大の見せ場は、くるみが風早にフラれるシーンですから。あのシーンでは爽子は蚊帳の外で、確かにくるみがヒロインでした。

くるみは、自分の恋愛のためであれば、人を陥れることもためらわない悪役ですが、やる事為す事上手くいかない空回りっぷりが憎めず、愛すべきピカレスクでした。風早を好きな気持は本物で、爽子よりもむしろ裏付けがありました。フラれた後、くるみがどうやって気持に整理を付けたのかは、ずっと気がかりで、本編からフェイドアウトしたのが残念でした。

なので、今回の『くるみ回』はとても嬉しいですね。総集編ですけど、これは『くるみ回』でしょう。印象的なのは、1期の使い回しの箇所でも、ほとんどのシーンで音楽が差し替わっていて、1期よりもコミカルな風味になっていることです。例えば、野球を見ながら話しているシーンとか。念のため録画を確認してしまいました。

とにかく、その音楽のおかげで、僕は1期から残っていた胸のつかえが、取れた想いがしたのです。

くるみの回想での音楽が、コミカルな味付けなのは、くるみが自分のことを客観視して、自分がピエロだったと自覚したことを表しているのでしょう。また、「あんなこともあったな」という、思い出として昇華しつつあるのを表しているはず。一番辛いはずの失恋のシーンを思い出しながら、「私らしくないことをしちゃったな」と微笑んでいました。

くるみに救いが無かったのが、ずっと気がかりだったのです。でも彼女は、もう大丈夫でしょう。風早を思い出に変えて、新しい恋を見つけることができるはず。まだまだ、思い出して涙を流したり、「爽子のバカヤロー」と叫ぶ夜もあるだろうけれど、それでも彼女は前を向いています。

なので、くるみのエピソードはここで終わりでも心残りはありませんが、次回も出番があるようです。よりわかりやすく、けじめを付けるのでしょうか。あるいは、新展開があるのかな。2期も楽しませてもらえそうです。

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