メルクマール

タイトルは、小説・映画の『西部戦線異常なし』のパロディだと思うのですが、ならば『妹戦線異常なし』のほうがいいのではと思うんですけどね。

『西部戦線異常なし』は第一次世界大戦が舞台ですが、この戦争は、人類の戦争史上で重要な転機でした。その理由は、機関銃の大規模使用です。

戦争のスタイルは、古来から『陣形を組んで戦う』というものでした。歩兵が縦横に列を作って、整然と進み、敵の陣と激突するわけです。それは、銃や大砲が出現しても、それほど変わりませんでした。　モンゴルによる騎馬撹乱戦術や、ナポレオンによる部分的に隊列を崩した散兵戦術などはありますが、それでも基本は陣形です。

しかし機関銃の出現によって、戦争の様相は一変します。陣形を組んで整然と進む歩兵は、機関銃にとってはただのマトですから。戦場から密集陣形は消えて、お互いに塹壕を掘って、そこに機関銃を備えて睨みあうことになりました。

しかし、離れて睨みあうだけでは戦争にならないので、敵の塹壕に突撃をかけるわけですが、機関銃が待ち受けているので、またたく間に数千人のオーダーで死人が積み上がります。そのような大量虐殺が行われているにもかかわらず、戦況に変化は無いので、公的な報告書には『西部戦線異状なし』と書かれてしまうという、皮肉が込められているのでした。

リトと美柑も、なにやら異常なことが行われた気がするけれど、二人の公的な関係に変化は無いので、『「妹」戦線異常なし』でしょう。まぁ。美柑のは恋愛感情では無いでしょうしね。子供っぽい独占欲だと思えます。しっかりしているのに、年相応の子供っぽさも見せるのが美柑の魅力です。

闇も魅力的でした。いつも無表情なので、あの笑顔の破壊力はかなりのものでしたね。胸のつかえが取れたような、晴れ晴れとした表情で。　花粉のおかげで、自分の中の「何だかわからない感情」の正体に、気付いたのではないでしょうか。

3本目は、ナナ回と思わせながら春菜回。友達だからこそ、正直でありたいという春菜の勇気は素晴らしいでしょう。『とらドラ！』で、某キャラがブチ切れるシーンがありますが、それは、友達に遠慮して想い人を諦めるのを「傲慢」と受け取ったからでした。勝手に決めるなと。友達なのだから、悩みを自己解決しないで、本音でぶつかるべきです。そして、最終的にはリトが決めるべきなのです。春菜もそういう結論に達したのでしょう。

次回は、リトの決断が試されることになりそうですね。エンドレスのハーレムものなので、決着がつくとは思えないけれど、アニメとして区切りを付けようという意思は感じられるので、楽しみにしておきます。

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