シュージンがしゃべっていた、アンケートハガキの確率の話に引っかかってしまいました。漫画が21本で、そのうちアンケートでは3本を選ぶので、ランダムに選ばれる確率は1/7。ここまではOKです。 でも、「10人のうち2人が票を入れてくれれば人気漫画になる。つまり1/5。 平均で1/7を1/5に持っていくのは結構きつい」 というのはヘンですね。その二つは別物なんです。1人の読者がどう選ぶかは単純に確率ですが、沢山届くアンケートハガキでどうなるか、は統計の問題になります。
統計的にどうかは、二項分布を使えば計算できるので、ちょっとやってみましょう。エクセルなどで計算できますが、今はいいサイトがあります。こちらの『keisan』サイトで、「二項分布(グラフ)」を選び、そこで「上側累積確率 Q」を選択して、nを1000、Pを「0.143」、繰り返し回数を「201」にします。
どういう意味かというと、7人に1人(0.143)がアンケートである漫画を選んだとして、アンケートが1000通届いたらどうなるか、という計算です。計算ボタンを押すとグラフが出ますが、120くらいまでがほぼ1ですよね。つまり、1000通のアンケートのうち、120通以上でその漫画が選ばれている確率がほぼ100%ということです。
でも目標は、10通のうち2通ですから、200通以上で選ばれなければなりません。なので200のところを見ると、ほぼ確率はゼロ(0.000055%)です。つまり、7人に1人では全然ダメなのです。 そこで、「読者がアンケートで選ぶ確率」を変えながら計算してみます。
読者がアンケートで選ぶ確率 | アンケートの20%以上で選ばれる確率 |
7人に1人 (0.143) | 0.000055% |
6人に1人 (0.167) | 0.3% |
5人に1人 (0.2) | 51% |
4人に1人 (0.25) | 99.99% |
わずかな確率の違いで、結果が別世界なのがわかりますね。これが統計のマジックです。シュージンの言っていた「5人に1人」では五分五分なので、これではコンスタントに人気漫画になるのは不足でしょう。「4人に1人」ならばほぼ確実で、その中間あたりの0.22で 94%になります。まぁ、結果としてシュージンの直感と大きくは違いませんが、それよりやや厳しめということです。
すっかり数学の勉強になってしまいました。内容についてですが、今回はもっぱらラブストーリーで、シュージン側とサイコー側が好対照です。これはそのまま、二人の性質が対称的なのを表していますね。シュージンは器用なので、漫画と恋愛の両立は問題なくやってのける。サイコーは不器用でクソ真面目だから、漫画一筋に自らを律しないと、恋に溺れてしまうだろうという自覚がある。それは亜豆も同じはずだと彼は思っていて、おそらくそうなのでしょう。
まぁ、あの二人の恋愛は、かなりファンタジーですね。でもファンタジーの世界に生きる人がいても、いいんじゃないかと思えます。一方でシュージンと香耶の恋愛はごくごく普通なので、二人を見ているとホッとします。 いいバランスなのでしょう。シュージンのナルシストっぷりに香耶はときめくようで、相性がいいですね。
受験が終わり、NEXTへの掲載も決まったということで、うまく行き過ぎているのが、逆に怖いですね。新妻エイジの当て馬だというポジションが、彼らにどう影響するのか。まずは、NEXTへの原稿を良いものにすることなのでしょう。
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私はアンケートハガキの確立の話で疑問を感じてなかったので勉強になりました。
確かにシュージンの言っていたことは変ですね。
数学の確立とか組み合わせは数学の他の分野と違って何か異質で難しかったのを思い出しました。
何ででしょうね?ってメルクマールさんにとってはそんなことないでしょうね。
確率論は、たしかに中学・高校レベルでは異質で唐突に感じますね。これが大学レベルになると、方程式が解析的に解けることが少なくなり、確率分布などを使うのが普通になるのですが。それはそれで、とても難しくて僕も苦手です。嫌な記憶が蘇ってきました。