メルクマール

奈緒編には、すごく違和感があったんですよね。導入部（7話）は、まぁいいかなと思ったのですが、8話からの展開がしっくりこなくて。どう見ても、穹に感情移入させようとしているのに、穹を振って奈緒とくっつくのはおかしい、と思えたのでした。

今回を見て、納得しました。奈緒編は、選択肢を間違えた結果なのですね。奈緒と付き合うことにしたのを、「穹に自分から話す」か「今は話さない」かという選択肢で、前者を選んだのが奈緒編でした。そして今回は、後者を選びます。

穹の魅力は、不健康さですね。体が弱いという設定もそうですが、引きこもり気味で、家でたいていゴロゴロしていて、家事も何もしない。そして、兄にべったり依存している。双子の兄が好きだというのは、歪んだ自己愛であり、自家中毒状態です。極めて不健康ですね。でもそれがいい。

悠も、そんな穹の不健康さと、時折見せる色気とのギャップに、クラクラしているのでしょう。気持はわかります。彼は、妹に惹かれるのを抑えるために、奈緒と付き合うことにしたのでした。なのに、奈緒と付き合っていることを妹には知られたくないという、往生際の悪さ。　悠のヘタレっぷりは、奈緒編ではかなり鼻につきましたが、穹編では気になりません。不健康な穹には、ヘタレな悠がいいコンビだからでしょう。

この二人のダメ人間が、どう変わっていくのかが見所です。奈緒編では、奈緒が一人で全部解決してしまいましたが、今回は、悠と穹の二人で何とかする必要があります。彼らの成長物語でもあるのでしょう。

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