「面白ければいい」と一言に言うけれど、それがなんと難しいことか。バクマン。 第10話 『10と2』 の感想です。
サイコーとシュージンは、とんとん拍子にデビューに近付いているように見えたけれど、やはり大きな壁がありました。「面白くない」という。それは致命的です。「良く出来ている」と「面白い」には、大きな違いがありますね。そして漫画は、面白くなければならない。逆に、面白くありさえすればいい。必要十分条件です。
漫画の面白さとは、大まかに言えば「ストーリーの面白さ」と「キャラの面白さ」でしょう。ギャグやコメディの要素も、それらに含まれます。シュージンの話は、ストーリーは面白いが、キャラが面白くなかった。
そこで、キャラを「ジャックらしい」、特殊能力を持つ派手なキャラにしたら、キャラはそれなりに立ったかもしれないが、ストーリーの面白さが失われてしまったようです。難しいところです。
”特殊能力”は、便利な設定なので、それに頼り過ぎると面白くないストーリーになりがちですね。なので、能力に制約をつけるのは一つの方法でしょう。『とある科学の禁書目録』では、主人公の上条当麻は、「魔力や超能力を無効化できる」という特殊能力を持っています。でもそれだけだし、表面上は落ちこぼれの無能力者と見なされている。その限定された力で、強大な敵といかに戦うか、がストーリーの面白さです。
もし強い能力を持たせるのであれば、それ相応の壮大な目標を設定するべきでしょう。ドラゴンボールの場合は、主人公は神様と戦うのでした。 『コードギアス』では、一介の高校生が、1人で日本を乗っ取り、さらに世界最強の国を打倒することを目標にしています。
とまぁ、理屈ではいろいろ言えるんですけど、現実には、面白くて、かつありきたりでない話を作るのは、ものすごく難しいことでしょう。それが出来れば漫画家や作家になれるわけで、簡単なわけがありません。
結局、編集の服部さんは方針転換して、キャラ受けを狙うのではなく、シュージンのクセのあるストーリーを伸ばすことにしました。彼らはまだ若いので、欠点を修正するよりは、良いところを伸ばす方が正しいのでしょう。しかし、サイコーの絵にしても、まだ漫画らいしと言えないところがあるので、「うまいけど、漫画らしくない」という評価は、彼らに付きまといそうです。
年間契約の話や、アンケートの話など、漫画業界の裏側をぶっちゃけるようなエピソードが面白いですね。なるほど、そういう仕組みなんだなぁという。これがあるから、「少年ジャンプ」という実名が出せないのかもしれません。今後も、どんどんぶっちゃけてもらいたいところです。
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