メルクマール

栞編が始まりましたが、ヒロインが登場して、まともに会話もしない段階で、1話目が終わりました。かなり、ゆったりした進行ですね。

かのん編でも、かのんの孤独感や、ちょっと異常な行動の描写に、たっぷりと尺をあてていて、当初はテンポが悪いなと思ったのでした。でも終わってみると、あれがあったから、クライマックスでのかのんの行動に説得力が出たのだろうなと思えます。

今回は、栞が本が好きで、図書館を愛していて、ある種依存していることの描写に、力が入っていました。これが後で効いてくるのでしょう。

この作品、主人公よりも、ヒロイン側の描写が多いんですよね。これはあまり、ギャルゲー的とは言えません。ギャルゲーはもっぱら主人公視点ですから。　この作品は、プレイヤーというよりは、ギャルゲーを作っている神の視点に、視聴者を置いているのでしょう。つまり「神のみぞ知るセカイ」です。

栞の図書館へのこだわりは、分かる気がしますね。僕も図書館は好きで、子供の頃は入り浸っていました。今も図書館カードは3枚持ってます。

図書館は、人類の知的活動が集積された、ある種神聖な場所だと言えます。今はネットがありますが、昔は、なにか調べるには、図書館に行くしかありませんでした。　図書館は偏りなく資料を収集・提供する必要があるために、国家権力から独立した権利が、いくつか認められています。アニメにもなった『図書館戦争』は、それを根拠に、図書館が国家の検閲組織と戦争になるという話でした。

最後を飾るヒロインとしては、やや地味な気がしますが、描写のこだわりっぷりから見て、こだわったストーリーが用意されているのでしょう。期待しておきます。

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