メルクマール

『超電磁砲』では、超能力を持たない人、あるいは低レベル者の悲哀が描かれていました。このストーリーは、それと対になっているように見えます。能力を持つものにも、辛さがあるのですね。

能力があるために、人に利用されることはあるだろうし、能力によって人を傷つけてしまうこともあるでしょう。だから自分の能力に畏れを抱くという心境は、分からないでもありません。でも結標淡希については、サディスティックだし、キレると自分を制御できなくなる性質があるようで、それは能力のせいというよりは、彼女本来の性質でしょうね。

黒子はそれを見抜いて、「力があろうと無かろうと、あなたが人を傷つける人間であることに変わりはありませんの」と言いました。能力のせいにするなと。能力が無ければ武器を使うだけのことです。実際、結標は銃を使っていました。

考えてみれば、美琴にしても、なまじ強力な能力があるために、シスターズの実験に巻き込まれたのでした。でも彼女はそれについて、「自分の能力が憎い」なんてことは言いません。むしろ自分の能力を活用して、状況を打破しようとしています。結標淡希が美琴を目の敵にするのは、そういうところも気に食わないからでしょう。

結標は、レムナントで超能力の秘密を調べて、超能力の無い世界を作ろうとしたのかな。ミサカ妹が、クローンでありながら御坂美琴の能力を受け継がなかったということは、超能力の源泉が、人間の体の外にあることを示唆しています。だとしたら、その外にある何か(超意識みたいなもの？）にコンピュータで干渉できれば、超能力を無効化できるのかもしれません。

超能力が存在することで、それが無い人も有る人も不幸になるとしたら、「そんなものは無い世界を作るべき」というコンセプトは理解できます。シンパがいるのもわかります。ただ、手段に問題がありました。

ふと思ったのですが、当麻の「幻想殺し」は、超能力無効化の原理を体現しているのでは。当麻を研究すると良さそうです。

アクセラレータさんは、ラストオーダーに情が移ったようで、彼女のためなら一肌脱ぎます。彼女たちは当麻ともつながっていますから、間接的に、アクセラレータと当麻が共闘する形になっていますね。美琴・黒子・当麻・アクセラレータでパーティーを組めば向かうところ敵なしに思えますが、そういう展開になるでしょうか。

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