メルクマール

シンディの一味は、英才揃いにも関わらず、その才能を無駄に使っているわけですが、宇宙人に備えることは無駄でもないかもしれません。万が一、高度な文明を備えた宇宙人がやってきて、その対応を間違えたとしたら、人類存亡の危機ですから。そのリスクを考えれば、多少の”才能の無駄遣い”も許容されるかも。

それより、イカ娘ですよ。あの才能をイカさない手は無いですね。有能なプロデューサーが付いたら、念願の人類侵略も夢では無いと思うのです。

宗教とかスピリチュアルとかにハマる人は多いわけですが、宗教を始めるために不可欠なのは、「奇跡を起こす」ことです。「占いを当てる」とか「プラシーボ効果で健康になる」でもいいのですが、目に見える奇跡のほうが効果的なのは言うまでもありません。キリストもモハメッドもブッダも、そのような奇跡を起こすことで、初期の信者を獲得しました。ずっと見せ続ける必要はなくて、ある程度の信者を集めてキャズムを超えれば、あとは伝説となって勝手に広がっていきます。

イカ娘はすごい能力を持っていて、一般常識からすれば奇跡的なので、うまく演出すれば宗教の教祖に祭り上げることは十分可能でしょう。「地球環境を守るための、海からの使者」というキャッチフレーズはそのままでOKです。スピリチュアルな人々にウケるはず。

みたいな話にはならないのが、この作品の良さでしょうね。僕はイカ娘を見ていると、『トムとジェリー』のトムを連想します。トムも驚異の才能の持ち主で、それを生かして金持ちになるとか、スターになるといった野望を抱いているのだけれど、たいていは、自らの慢心で失敗してしまいます。でも愛すべきキャラです。イカ娘も、失敗することで愛されるキャラなのでしょう。

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