メルクマール

最初の方は、黒子が美琴を誤解してすれ違う話かと思っていたのですが、そうではありませんでした。それどころか、お互いのことが完璧に分かり合っているんですよね。

キッカケは、第23学区での強盗事件でした。ツリーダイアグラムの残骸を気にしていた美琴は、シャトル打ち上げのニュースと重ねあわせて、強奪された物がツリーダイヤグラムに関係するものでは、と推理したのでしょう。黒子とは別個に、事件に首を突っ込んで、信号故障を起こして逃走を妨害したりします。いざとなったら、敵と大立ちまわるするつもりだったので、黒子に「早めに寮に帰りなさい」と言いました。

黒子が強盗と対峙している最中に、美琴から電話がかかってきたのは、心配してのことでしょう。「いまどこ」とかさりげなく聞いて。美琴は、能力によって電話を掛けた相手の場所が分かったりするのかも。 電磁波が出ますからね。

美琴の干渉が、結果的に黒子に怪我をさせることになりました。美琴は心配して寮に戻ってきて、黒子の様子がおかしいことにすぐ気づいて、自分を責めます。妹たちのことは自分の問題で、これまで黒子を巻き込まないようにしてきたのに。

黒子も、結標淡希との会話などで、美琴が大きな問題に直面していることがわかり、それを自分には秘密にしている心情も理解しました。なので、黒子としても美琴に負担をかけないように、黙って影から手助けしようとします。

人が分かり合うのは、けっこう難しいものです。言葉を尽くしても誤解があったり。この二人は、肝心なことは何一つ話さずに、表向きは世間話しかしていません。「アクセサリーを集めに」とか、「近頃は天気予報もアテになりませんから」とか。　にもかかわらず、会話の裏にある想いを読み取って、相手のことをほぼ完全に理解しています。ちょっとしたセリフが、あとで「そういうことだったのか」と分かる構成が、かなりうまいですね。二人の固い絆が、印象的に描かれました。

結標淡希の『ムーブポイント』とは、どういう能力でしょうか。手で触れていなくても物体を移動できるということで、黒子の能力の進化版に見えますが、何らかの制約はあるのでしょう。そもそも、見えていないものを動かせるとは思えないので、「目で見えているものを、見えている範囲に移動させる能力」なのかも。

「自分自身のテレポートをためらう傾向」と初春は言っていましたが、でもテレポートはしていましたよね。美琴から逃げたときは、少なくともテレポートでしょう。黒子と対峙したときも、カットされてしまいましたが、黒子の攻撃を避けるためにテレポートしたのでは。ただその時、怯えるような目をしていたのは気になります。

禁書目録というよりは、超電磁砲のような内容ですが、むしろ望むところです。でも、超電磁砲のメンバーと上条さんとの絡みは見てみたいかな。楽しみな展開です。

ポチっとして頂けると励みになります！↓