サイコーとシュージンは、本当にいいペアだなと。バクマン。 第6話 『アメとムチ』 の感想です。
なにがいいかと言えば、一方が舞い上がっている時には一方が冷静、という役割分担を、交互にやっていることですね。
漫画家になろう、と誘う段階では、シュージンが興奮していてサイコーが冷静でした。描き始めてからは、どちらかといえばサイコーがのめり込んで、シュージンがそれを抑える役割でした。恋愛についても、サイコーが舞い上がって、シュージンがそれを論評していますね。
今回は、シュージンが緊張して舞い上がっていて、サイコーは緊張はしているものの、心の芯は冷静でした。「編集者を見極める」という視点を持っているところに、凄味があります。編集者がダメだと思ったら、持ち込み先を変えることも考えていたのでしょう。編集者も、サイコーの目の強さは気になったようです。
これで担当編集者が付いたということで、大きな一歩だったようですね。持ちこんだ原稿については、ほぼボツだったわけですが、それを気にする様子はありません。そんなに甘くないことを、よく分かっているからです。
その姿勢は偉いと思いますね。持ち込んで、欠点を批判されてボツになり、そのまま挫けてしまう人のほうが多いのでは? 僕はその昔、パソコンでゲームを作って、メーカーに投稿したことがあります。当時はメーカーがゲームの一般公募をしていて、良いものは発売されることがあったのです。
実家が遠方なので、郵便で投稿したのですが、数週間後にメーカーの人から電話がかかって来て、1時間以上話しました。いろいろアドバイスをもらった覚えがありますが、結局は投稿したものはボツということで、その時はひさすらガッカリしたんですよね。今にしてみれば、世の中を甘く見ていました。そしてそれっきり、投稿はしなかったのでした。
でも1時間も付き合ってくれたのだから、多少の可能性はあると思ってくれていたはずで、「よし、次もがんばるぞ」と投稿を続けていたら、どうなっていただろうか。ふとそう思いますが、僕の気合いでは、結局は大成するまでは頑張れなかったでしょう。サイコーやシュージンの覚悟とは全然違うので。「何度ボツになってもめげない」ことが、大成するための必要条件です。十分条件では無いけれども。
『二つの地球』、けっこう面白いのでは。眉村卓の少年向けSFのような、懐かしいテイストで、僕は好きですね。でも地の文が多すぎるとは僕が見ても思ったし、サイコーの絵も、上手いんだけど心に残らないですね。そういう「新人の気合いが空回りした微妙な漫画」が、うまく表現されているのでしょう。ここから、どう上達していくのかが見どころです。
編集者サイドについても描写されているのが興味深い。編集者にとっても、新しい才能を見つけ出すことが重要な仕事で、真剣勝負なのでしょう。編集者間での競争もあるだろうし。編集者のキャラデザが脇役っぽいのが気になりますが、彼のドラマにも期待しています。
ポチっとして頂けると励みになります!↓
