メルクマール

敵の動きを予知するというのは、ウイングガンダムのゼロシステムを思わせますが、あれは分析した可能性を示すのに対して、こちらのプレコグニション・システムは完全に相手の動きを先取りできるようです。普通は物理的に不可能だと思えますが、『ゼロ時間』の空間は普通ではないので可能なのでしょう。

必勝のシステムに見えますが、タクトの色香？に迷ったことで無駄になったようです。そもそも、綺羅星十字団の連中は、色に迷いすぎで、それが行動原理にも見えます。

例えば、2話のスタードライバーのバイク男は、スカーレットキスの色香に迷ったのでした。3話のタカシ（バンカー）も、シモーヌの色仕掛けで焚きつけられたと言えます。4話のタイガーは、スガタへの想いを利用されました。

1話のボクシング男ははっきりしませんが、タクトとワコが話しているのを見つめていたり、ワコをさらったりしているので、ワコに惚れていたように見えます。

サイバディを動かすためには精神力が必要はなずですが、精神力を高めるのに”色恋のエネルギー”が有効なのかもしれません。精神活動の中でも、かなりのエネルギーを使う部類ですからね。だとしたら、ミドリが戦闘中に我を忘れたのも仕方ないのかも。

このところ情報量が多かったですが、今回は一休みという感じで、コメディをやっていました。でもこの、あまり意味が無さそうなギャグ回にも、サイバディと色恋の関係を示す意味があったのかもしれません。

この作品は『星の王子さま』を下敷きにしていますが、星の王子さまには『ツメの甘い大人』が多く登場します。例えば『地理学者』は、山や河のことを良く知っているけれど、実際に行ったことは一切無いのでした。今回のミドリの『ツメの甘さ』は、ダメな大人を象徴しているのかもしれません。

『サカナちゃん』は、当初は物憂げな様子でしたが、回を追うに従ってテンションが上がっていきますね。あれは何故なのだろうか。ヘッドに馴染んだからなのか、あるいは（自分を救ってくれるはずの）タクトの活躍に興奮しているのか。どちらかによって意味が全く違います。

「人生という冒険は続く」という締めの言葉からして、サカナちゃんはロマンチストでしょう。人生には、何かドラマチックなことが起こるはずだと思っている。彼女は何を期待しているのでしょうか。　この作品のヒロインはむしろサカナちゃんだと思っているので、彼女のことが気になります。

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