メルクマール

『ネバーエンディング・ストーリー』は、ミヒャエル・エンデのファンタジー小説、およびそれを原作にした映画ですが、物語の中に物語がある構造です。主人公は物語の世界に入り込みますが、その世界は『虚無』による危機にさらされていて、その原因は、物語を読む人が誰もいなくなったからなのでした。主人公が読者になったことで、世界は動き始めます。

今回のエピソードも、ゲームがバグっていて誰もエンディングにたどり着けないことで、ヒロインはずっと幸せになれず、物語の中に閉じ込められています。桂馬は、いつもの知恵と粘り強さを発揮して、彼女を救い出したのでした。桂馬には「困っている女の子を助けなければならない」という使命感があるようで、それは現実の女の子でも、ゲームの女の子でも分け隔て無いということですね。

いいストーリーですが、「ヒロインがついに幸せになった」ことを、ちゃんと描いて欲しかった。　エンディングがゲームのエンディング仕様になったことで、それを象徴するのはうまいですが、せっかくなら、ゲーム内の「思い出のシーン」をストーリー順に見せるという、ギャルゲーでよくあるエンディング演出にして、幸せな結末までを見せてくれたら、さらに感慨深かったでしょう。あるいはCパートで描くとか。

さまざまな不具合に苦しめられるネタは面白いですが、PSP（PFPの元ネタ）のゲームであんなにバグバグはありえないですね。ソニーが内容を審査していて、致命的なバグは修正しないと発売できないからです。　PCゲームにはそういう仕組みは無いので、ろくにテストしていない、作りかけのものでも発売してしまうことはあるようですが。

ゲームの主題歌が印象的。ストリングスの使い方が『ef』の曲に似ているなと思ったら、作編曲が天門さんということで、同じ方でした。　歌い手さんはわざとゲームキャラ風に作って歌っていますが、せっかくのいい曲なので、普通のボーカルでも聴いてみたいな。

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