メルクマール

この物語の世界は、とにかく異常ですよね。敵が何とも妙なやつらだし、主人公も浮世離れしているし。人間関係も、ヘッドと魚ちゃんの関係とか、カナコとシモーヌの関係とか、一筋縄では行かない関係ばかりです。

でも、この一見ぐちゃぐちゃな状況が、なんだかしっくりくるというか、これはこれで調和している気がするんですよね。近くで見ても何を描いているか分からない絵だけれど、離れれば何か見えるに違いない、という。今はまだ、離れて見ることが出来ないのですが。　分からないなりに雰囲気を楽しめばよいと思えます。

今回はカナコたち「おとな銀行」のメンツの紹介をしつつ、タカシとタクトの戦闘がメインでした。まだ第一ラウンドなんでしょうけれど。

「二刀流で本領発揮」というのは熱いですね。まぁ、プールで対戦したときから、竹刀を持ち替えたり、片手で振ったりしていたので、二刀流なのかなとは思ったのですが。二刀流は、剣道の公式戦でも認められています（大学生以上）。タクトはどこで二刀流を習ったのかな。

「銀河を満たせ、タウの輝き！」という決めセリフが印象的だったので、それについて考えてみます。「タウ銀河ビーム！」というのもありましたね。この『タウ』とは何か、ですが、シンプルに考えれば『タウ粒子』でしょう。素粒子の一つで、教科書的に言えば「マイナス電荷を持つレプトンの第三世代」で、簡単に言えば電子みたいなものです。

ただし電子よりは3500倍重く、電子が安定しているのに対して不安定で、寿命が3兆分の1秒くらいしかありません。 つまり、ほとんど存在できないわけですが、サイバディが戦うのはゼロ時間の空間ということで、タウ粒子が普通に存在できる可能性があります。

そうなると、タウ粒子は役に立ちます。レーザー兵器にはいろいろありますが、一番高いエネルギーをぶち込めそうで有望視されているのが自由電子レーザー（FEL）です。ガンダム00の軌道兵器『メメント・モリ』も、描写からして自由電子レーザーだと思われます。

タウ粒子が安定して存在できるなら、電子の代わりにタウ粒子を使った『タウ粒子レーザー』を作れるでしょう。電子より質量がずっと重いので、さらに大きなエネルギーを投入でき、つまり大きな威力になります。これが「タウ銀河ビーム！」の正体ではないかな。　あの剣も、タウ粒子によるビームサーベルのようなもので、それが「タウの輝き！」なのでしょうか。

そもそも、サイバディの名前が『タウバーン』ですしね。タウ粒子を操れるからタウバーン、ということなのかな。

以上、かなり怪しげな考察でした。「ゼロ時間でタウ粒子が存在できるとして、ゼロ時間ではレーザーの励起もしないのでは」といった突っ込みどころはいくらでもあります。

まぁ、ガチなSFでは無いでしょうね。雰囲気を盛り上げるスパイスとしてのSF設定でしょうし、雰囲気はいいんじゃないでしょうか。

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