メルクマール

今回も面白いのですが、ちょっと引っかかったのは、兄弟喧嘩のシーンですね。ここはあんまり面白くないわりに、2回もやっていて、なぜかなと思ったのですが、

この意図は、歩鳥にとってシーサイドが”大切な場所”であることを描くためでしょう。そもそも歩鳥は、それほどバイトに積極的では無かったはずです。なのに今回は、店を繁盛させるために、あの手この手で（暴走気味に）がんばっていました。

僕も兄弟がいて、一番上なので分かりますが、兄弟喧嘩すると必ず負けるんですよね。「お兄ちゃんなんだから我慢しろ」という理不尽な理由で。なので歩鳥にとって、シーサードは家庭よりも彼女らしくいられる場所でしょう。多少羽目を外しても、周囲がなにげにフォローしてくれるし、ボケたら突っ込んでもらえる。シーサイドでの歩鳥は「愛すべきキャラ」に収まっていて、それが彼女にとっても快適なのでしょう。

1話から「至福」という言葉が繰り返し出てきますが、歩鳥にとっても、シーサイドは至福の場所です。シーサードはパッとしない喫茶店ですが、トシ子にとっても、真田広章にとっても至福の場所ですね。ばあちゃんにとってもそうでしょう。 どんな場所でも、そこに人が集まって、幸せを感じれば至福なのだ、というメッセージだと思えます。ここからさらに、至福の輪を広げることができるでしょうか。

1話では、トシ子のハイテンションなツッコミが大好きだったのですが、今回は控えめだったのがやや残念。歩鳥とトシ子のハイテンションな応酬が、この作品の最大の魅力だと思うんですよ。ところで、この作品で悠木碧さんに注目された方は、『アキカン』も観てみることをお勧めします。 ぶど子というロリ系のキャラをやっているのですが、ろれつが回っていない独特の喋りで、全然雰囲気が違うので驚きますよ。この頃から凄いなと思ってました。

バルカンサインに笑った。スタートレックネタですね。バルカン人のあいさつで、ミスタースポックも使います。『けいおん！！』でもやっていたので、女子高生などの間で流行っているのかなと思っていたのですが、そうでもないのでしょうか。

オチの「大人気ない」はせっかく面白いネタなのに、1回目に観たときは意味がわかりませんでした。見せ方に工夫の余地があったかも。

ともあれ、この作品の独特の演出は好きですね。賛否両論あるようですけど、僕は文句無しに好き。足を写すことが多いのが特徴的です。テーブルの下の足とか。キャラが動きだすときにも、まず足のカット（踏みだしたり振り向いたり）があり、その後に全身のカットなどがあるパターンで、これが独特のリズムを生んでいるでしょう。

ヴァンパイアバンドや化物語は、トラックアップ（ズーム）の多用がちょっとくどいなと思ったのですが、この作品では要所で効果的に使われているかと。それらの作品は、動画枚数が少ないのをトラックアップなどでごまかしている感がありましたが、この作品はちゃんと動いてますしね。 狭い空間でのドラマなのですが、その空間を縦横無尽に切り取って単調に見せない工夫があります。

そんなわけで、この作品は今期のギャグアニメでは一番期待しています。次回も楽しみだけど、次回予告は本編とは関係なく、予告のためにわざわざ作っているようですね…

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