メルクマール

この作品にはすごく期待しているのですが、第1話の時点ではまだ不安だったんですよね。勢いだけの作品という可能性もあるので。でも第2話を見て、やはりこの作品は大丈夫そうだ、と思いました。

いろんなシーンに、雰囲気があるのです。うまく言えないけれど。　演劇部でのシーンとか、ヘッドが魚ちゃんと話すシーンとか、それぞれは断片的だけれど、大きな物語の中の重要なパートを、確信を持って描いている、という感じがします。

世界観も、１話は説明無しで勢いで見せきりましたが、今回は少しづつ説明が入って、いろいろと見えてきました。というか、僕はこの物語の元ネタが分かってしまったかもしれません。以下にそれについての考察を書きます。

（なんとなく改行）

ズバリ、この作品の元ネタは『星の王子さま』ではないかと。星の王子さまをロボットアニメに翻案したもの、と言いますか。

なぜそう思ったかといえば、キッカケは『アプリポアゼ』という言葉です。綺羅星十字団のスタードライバーが、サイバディと接続？するときに、そういう掛け声を出していました。アプリポアゼは、『星の王子さま』のフランス語原典では多用されていて、日本語でニュアンスを再現するのが難しい言葉として知られています。

アプリポアゼは、直訳すると「飼いならす」ですが、本来の意味は幅広くて、「鎖に繋ぐ」あるいは「絆を結ぶ」という意味があります。星の王子さまは愛について語りますが、愛とは「鎖を繋ぐ」ことではなく、「絆を結ぶ」ことなのだ、というのが結論でした。『アプリポアゼ』は、その両方の意味を合わせ持つ、作品のテーマを表すとも言える言葉です。

星の王子さまは、星の世界に戻るために、蛇にかまれて死にます。体が死ぬことで、魂が星の世界に行けるのでした。スタードライバーは、『電気棺』なるものに入りますが、あれは『電気椅子』と『棺』を合わせたようなもので、あの中でスタードライバーは死ぬのでは？　人工的に仮死状態を作り出すことで、星の世界（ゼロ時間）に行くことができると。

タクトは、電気棺を使わなくも、星の世界に行くことができますが、それは彼が『星の王子さま』、もとい、『銀河美少年』だからです。電気棺は人工的に星の王子さま（銀河美少年）を作り出すシステムでしょう。なので、タクトが最初に颯爽登場したとき、綺羅星十字団の人々は口を揃えて「銀河美少年か！」と言ったのでしょう。

なにしろ、タクトのコスチュームやポージングは、いかにも王子様ですしね。『銀河美少年＝星の王子さま』　説は、けっこう辻褄が合うと思うのですが、どうでしょうか。となると、星の王子さま流の、哲学的なテーマが含まれるのかもしれません。今後がますます楽しみです。

追記
見返していて気づいたのですが、演劇部の劇団名の『夜間飛行』は、星の王子さまの著者であるサン・テグジュペリの作品ですね！ 

ポチっとして頂けると励みになります！↓