メルクマール

男性恐怖症の原因として、最初に思い浮かぶのはレイプのトラウマでしょう。でもそれはリアルすぎるので、ギャグにはできません。実際にそれで苦しんでいる方が沢山いますから。　なのでWORKING！のまひるの場合は、原因をギャグっぽくしていました。

一方でこの作品は、真正面から扱っているということで、ああ、”トラウマの克服”というテーマを真剣にやるんだな、と思いましたね。太郎のM体質は完全にギャグとして扱われていますが、それで嵐子とバランスを取っているわけで、本質的には、心の悩みを持つもの同士です。二人が助け合いつつ、美緒たちの助けも借りて、悩みを解決する物語になるのでしょう。

とはいえ基本はコメディで、２話目にして各キャラの魅力が発揮され、キレのあるコメディになっています。嵐子の萌えキャラとしての戦力もなかなかのものでした。

１話は辰吉回で、２話は嵐子回でした。美緒はヒロインのはずですが、今のところはトリックスターの位置です。他者の悩みを解決するために奔走し、時にひっかきまわすという。美緒回も見たいですね。

この作品、涼宮ハルヒシリーズに雰囲気が似ていると言われますが、僕はあまりそうは思わないかも。ハルヒは何かを始めるバイタリティはあるけれど、つじつま合わせは全部キョンに押し付けるんですよね。それはキョンを全面的に信頼している表れでもあり、それに対してブツブツ言いながらもなんとかしてしまうキョンとの絆が、ドラマのキモになっています。キョンが保護者役だと言えます。　でもこの作品では、今のところ美緒が保護者で、太郎が保護対象です。今後の太郎のがんばりが期待されます。

それにしても、今回は嵐子役の早見沙織さんの演技が素晴らしかった。気弱だけれど居丈高という、アンビバレントな難しい役を完璧に演じていました。実のところ、あまり特徴のない声優さんだと思っていたのですが、認識を完全に改めます。悠木碧さんといい、最近の十代の声優さんの実力は凄いですな。

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