メルクマール

原作のラノベは未読ですが、ドMの主人公とドSのヒロインのラブコメ、ということは知っていました。ありそうで無かった設定かもしれませんね。特に主人公のドMっぷりはかなり酷く、それを福山潤さんが見事に演じています。　『アキカン』のスペシャル版のインタビューで、変態を演じるのは大っ好きだと言われていましたが、その通りにノリノリでした。

一方、竹達彩奈さんのドSヒロインはどうかなと、始まる前は思っていましたが、とてもいいんじゃないしょうか。ややぎこちなくて、罵詈雑言を言い慣れていない感じが、むしろいいんじゃないかと。大人びた言葉を舌足らずにしゃべっている子供のような、微笑ましさがあります。　あまりに流暢でドスが効いていると、やっぱ辛いと思うんですよ。

そんな二人がドタバタやることに終始するのかと思ったら、思いがけず伏線の効いた構成があり、いい話にまとめてきました。キャラを勢いで動かしているのではなく、ちゃんとストーリーを組み立てるタイプの作家さんなんでしょうね。

美緒によるドM治療の特訓ですが、それなりに根拠があるかも。　”過敏性大腸”という病気に悩まされていた友人がいて、緊張するとお腹をこわしてしまうという、かなり辛い病気なのですが、ある時、友人はその治療でしばらく入院していました。何をしていたのかと聞くと、”絶食療法”をしていたと。何日も絶食して、体を飢餓状態に置くことで、本能的に生命を守る為に、自律神経やホルモンが正常化されて体質が変わるという治療だそうです。　ドM体質も、生命の危機に追い込まれれば、本能が是正してくれるかもしれません。 あまりにMだと、マジで危険だからねぇ。

今回は終始、主人公視点でしたが、今後もそうなのでしょうか。美緒のことを、もっと知りたいですね。なぜ、あの性格でボランティアをしているのかなど。今後が楽しみな作品です。感想も書いてみようかなと。

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