メルクマール

「それなりにまとめた」ってよく書いちゃうんですけど、あまり褒め言葉でも無いような。でもまとめるのって難しいと思うんですよね。この手の作品の場合、メインは日常ドラマで、シリアスドラマ（戦闘）はアクセントですから、クライマックスでシリアスがメインになると辛くなるものです。

それにしても、最終回の展開にはもう一工夫欲しかったかも。ウイッチの魔法力が空っぽになるという設定は、今回はじめて聞いたし、それが急に回復するのもご都合主義的でした。

僕なら、そうですね。最終決戦に先立って、魔法力を一時的に強化する『魔法力ブースター』が開発されるというのはどうでしょう。ミーナは懐疑的だったが、大和を護衛するため、上層部の命令で装備を義務付けられてしまう。上の命令でイマイチな装備を強制されるのは、史実でもよくあることです。

確かに魔法力ブースターのおかげで、501飛行隊は大和の防衛に成功するが、その副作用で魔法力が一時的にゼロになり、飛ぶこともできなくなってしまう。しかし坂本は、ミーナの命令で出撃を禁止されていたので、唯一魔法力を残していた。

芳佳には実は、「自分の魔法力を完全に失うことと引き換えに、他のウイッチの魔法力を回復させることができる」能力があった、という設定はどうでしょう。ドラクエで言えばメガザルですね。そのための伏線は張っておくとして。芳佳がその能力を発動させ、他のメンツで坂本を救うことに成功し、坂本の渾身の烈風斬でネウロイを粉砕する、と。僕としては、やはり坂本に決めて欲しかったんですよね。芳佳はサポート役がいいと思えるので。

ともあれ、終始緊張感のある、熱い展開ではありました。ラストで一人一人がテロップ付きで紹介されたのは、もう彼女たちがメインのエピソードはこれで最後、という意味でしょうか。感慨深いものがあります。

あと、最後のカットが好きですね。どこかの島に打ち上げられた、震電と烈風丸の残骸。南太平洋の島々には、太平洋戦争時の兵器が朽ちたまま残されている場所があるのですが、そういう写真を見ると、「平和な島なのに、昔はここで戦争があっていたんだなぁ」という不思議な感動があります。この作品には、ミリタリー好きの心をくすぐる仕掛けが散りばめられていますが、最後でもやってくれました。

2期は特に、ミリタリーネタ多かったですしね。震電やMe262といったメジャーなものから、 ダムバスターや伊400などマイナーなものまで。イタリア艦隊はマイナーの極地ですが、むしろコメント欄ではその話題で盛り上がりました。ユニークな兵器を蘇らせ、活躍させるという、架空戦記としても楽しめました。

もちろん、人間ドラマやコメディは安定していましたね。全体として、とても楽しませてもらいました。3期に続きそうなエンディングですが、期待したいですね。今回はアドリア海が舞台だったので艦隊戦が多く見られましたが、3期はアフリカが舞台で戦車戦がメイン、というのはどうでしょう。ロンメルのアフリカ軍団や、イギリスのSASとの共同作戦とかいいですね～

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