メルクマール

時系列的には21話の直後あたりでしょう。なので22話にしてもいいじゃんと思えますが、この回には本編に必要な決定的な要素を欠いています。それは、「（主に梓が）卒業を意識してセンチメンタルになるシーン」ですね。終盤の回には必ず入っていて、卒業へのカウントダウンを盛り上げていました。

この回は、ある理由で、そういう要素は除外したかったのでしょう。だからあえて正編には入れず、番外編なのです。

では、なぜ除外したかといえば、梓の「軽音部愛」の描写にフォーカスするためですね。なんだかんだで、梓は軽音部を愛していて、PVではそれをストレートに出そうと考えます。梓が脚本・監督したPVは、「梓の考える、軽音部の愛すべきところ」を表現したものでした。愛にあふれていましたね。

インタビューも、軽音部への客観的な評価が聞けたのが、印象的でした。多くの人から愛されているし、ジャズ研やブラバンからも一目置かれているということで、音楽性にも一定の評価があります。唯たちの３年間の活動の成果が確認されたようで、感慨深いものがありました。

正編の終盤が、「卒業したら淋しくなるな」という、どちらかといえば後ろ向きな基調だったのに対して、この番外編は現状肯定的で、未来に向かっています。そして梓が発端で、梓が監督をして、オチも梓という梓回でした。ここまでやられると、梓が主役で３期をやる布石ではないか、と勘繰ってしまいますが、アリだと思いますね。

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