キャプテン・フューチャーに続いてジェイムスン教授ときたか! あそびにいくヨ! 第11話 『さがしきにました』 の感想です。
ジェイムスン教授シリーズは、スペースオペラ・ブームのあった1930~1950年代の作品で、キャプテン・フューチャーと同時代ですね。スペオペ専門誌と言えるアメージング・ストーリーズ誌で一番人気だったそうです。日本ではあまり知られていませんが、野田昌宏さんが翻訳されているということで、野田大元帥ファンならば押さえておくべき作品でしょう。僕も苦労して入手しました。写真は僕の蔵書であります。
実は、2話の感想で以下のように書きました。
エリスによると、彼らの文明は進歩しきって停滞しているそうで、つまりは「退屈」なのでしょう。寿命もすごく長いでしょうし。退屈をまぎらわすために宇宙探検をする、というテーマはSFではよくありますね。ノウンスペースシリーズとか、ジェイムスン教授シリーズとか。
やはり、作者もジェイムスン教授を意識してたんだなぁとわかって、嬉しくなってしまいましたよ。
ただ、アニメでの描写は微妙に残念でした。ジェイムスン教授(というか機械化したゾル人)の形状は、原作に詳細な描写があります。引用しますね。
この奇怪な生物は、鋼鉄とおぼしい金属で作られた直方体の胴体をもち、それぞれがジョイントをもった四本の脚部がそれを支えている。そしてその四角い胴の上部からは、やはり金属でつくられたらしい六本の触手がつき出ているのだ。さらにその胴の頂部には円錐形をした頭とおぼしきものがついていて、その周囲にぐるりと眼玉が並んでいるのである。
しかしアニメでは、胴体が直方体ではないし、頭や眼も違います。どうせならもっと似せて欲しかったけれど、版権を気にしたのでしょうか? 著作権違反は、銀河知性連盟では重罪だそうで。
ロケットエンジンを、ロシアに買い付けに行くという展開もいいですね。ロシアのロケットエンジンは最高ですぜ! 現在、最強のロケットエンジンはロシアのRD-170で、アメリカも日本もかないません。派生型であるRD-180は、NASAも導入しようとしています。
ロケットエンジンで何が難しいかといえば、大量の燃料や酸化剤を送り出すポンプです。効率が良いのは”二段燃焼サイクル”と呼ばれる仕組みですが、これを実用化したのはロシア・アメリカ・日本だけで、ヨーロッパも中国も成功していません。
さらに細かく言えば、二段燃焼サイクルには”酸素リッチ”と”水素リッチ”の2つの方式があり、高出力な”酸素リッチ”に成功したのはロシアだけです。ロシアには、旧ソ連時代からの冶金技術があり、アメリカも知らない謎の合金が、それを可能にしているのでした。
そんなこんなで、ジェイムスン教授とロシアのロケットに萌えていたため、内容については上の空でした。なんか、宇宙に出動するみたいですね。次回予告で「宇宙の海は俺の海」と言っていたので、宇宙海賊ごっこでもやるのでしょうか。
本来、科学力はキャーティアのほうがずっと上で、奇襲と護符でやられただけなので、反撃の糸口はいろいろありそうに思えます。盛り上げてくれることに期待しておきましょう。
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新谷かおる先生のパスカル・シティと並ぶアストロノーツ漫画で、世紀をまたいで連載されてた記憶があります。
アストロノーツ目標に頑張るどころか、各方面に大きく脱線しまくりが信念の石渡治先生の作品です。
その主人公の父親が町工場職人なんだけど、実はエンジニア出身で、2段式燃焼室の腕と実績を買われて中国に移住してましたね。
要するに今で言う技術移転の師匠です。
アンドローラ「Ⅱ世」号から那覇→ロシアへとサクサク移動とは、恐るべきアントニア財団の機動力
アニメ版での葵のサイドアームはブラウニング・ハイパワー(反物質弾を装填)
地上装備はスターリンでもT-10でもなく、あえて捕獲ティーガーなのだが大丈夫なのか
古臭い宇宙船デザインだが、葵によれば、糸川英夫教授が泣いて喜ぶであろうと
エンディングのDVD映像は、ストラトス・フォー見てた人なら一撃で分かる下地島の風景
今回もマニア心を揺さぶるネタ満載でした
ウチに帰って改めて見たところ、勘違い発見したです
泣いて喜ぶのは糸川英夫教授じゃなかったですね
留守番でコスプレ中の糸嘉州(いとかず)先生でした
ロシアのミサイルサイトに入ったときの移動手段ですが、本家コンコルドはとっくに運用終了してるから、映ってた機体は多分コンコルドスキーことTu-144でしょう
NATO地上軍がM1A2でロシア領内に侵攻ってのも無茶ですが、ティーガーⅠ後期型いじって何かやってくれそうです
足回りがT-34だったら怒るよ
パスポート・ブルーは未読です。面白そうな話ですね。
H2ロケットの先端部は、町工場でへら絞り加工で作られていて、量産品ではダメなのだそうです。そういうこともあるので、ありそうな話ですね。
『明日があるさ The Movie』は観られましたか。ダウンタウン主演の映画ですが、ロケットを個人で作って打ち上げる話で、しっかり考証されています。陶芸家が耐熱タイルを作るなど、興味深いエピソードがありました。ロシア製ロケットエンジンも登場します。
■名無しさんコメントありがとうございます!
あの戦車、やっぱティーガーですよね。ちらっと写っただけでしたが。普通にT-34でいいと思うんですけど。大祖国戦争の英雄だから。
エンディング映像はすっ飛ばしてみて無かったのですが、確かに下地島だ! ストラトス・フォーで印象的に使われた鳥の像(フナウサギバナタ)が何度も写ってます。憎い仕掛けですね。
Tu-144は退役してるはずですが、アントニアが道楽で買い取って使っているのかもしれませんね。