メルクマール

「良きリーダー」には、いろんなタイプがいますよね。親しみやすい雰囲気で、周囲から盛り立てられるタイプのリーダーもいれば、逆に人を寄せ付けない孤高の存在で、そのカリスマで人を従わせるリーダーもいるでしょう。でも、リーダーならば絶対に必要な資質があり、それは「決断する」ということです。　

民主的に多数決で決めるのであれば、リーダーはいりません。しかしそれでは決断の速度が遅く、生死を分ける場面では生き残れない。リーダーが決断し、それにメンバーが従うことが必要なのです。

孝は、時間があるときはうだうだと悩みがちですが、ここぞという場面では即断即決し、自ら勇敢に行動します。それを何度も証明しました。他のメンバーはそれが分かっているので、孝をリーダーと認めたのでしょう。

ここへきて急に、リーダーの話が出てきたのは、より大きな集団に取り込まれてしまわないように、自分たちのアイデンティティを確立したいからでしょうね。「孝チーム」というアイデンティティです。

紫藤も、あれはあれでリーダーの資質があるのでしょうけれど、彼のカリスマは洗脳した人間にしか効かないようでした。口のうまさで立ち回っているだけなので、しょせん薄っぺらいのです。孝は行動で示しています。

麗は、相変わらずでいいですね。彼女は1話から、「生き残るために孝を誘惑する」ということを隠していません。本能に忠実です。生物の存在原理としての本能には、生存本能と生殖本能があります。この作品の女性たちが艶かしく挑発的なのは、生存本能が刺激される状況で、生殖本能も高まっているからでしょう。麗などは明らかに、その2つの本能がごっちゃになっているな。

サブタイトルの元ネタは、『Red Storm Rising』ですね。トム・クランシーの小説で、「レッドストーム作戦発動」という意味です。経済危機に陥ったソ連が西ヨーロッパに侵攻し、第三次世界大戦が勃発するというストーリー。膨大な資料に基づく、リアリティのある描写に迫力がありました。

ゾンビ騒ぎは、ついに核戦争に発展した模様で、核発射の緊迫感はなかなかのものでした。ただ残念なのは、こうなった理由がはっきりしないことです。核を撃つのはよっぽどの理由が必要なはずで、それこそ『Red Storm Rising』のような、資料と論理による裏付けが欲しいところ。

まぁ、尺が足りないのでしょうね。事態は絶望的で、残り話数は少ないですが、ここから怒涛の展開でしょうか。

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