メルクマール

ゆっくりとした展開ですが、「不気味な山奥で、メンバーが散り散りになっていく」というホラーのお約束を描写するために、尺が必要でした。それなりに緊張感があったと思えます。

清継がウザくて、ああいうキャラは苦手ですが、彼みたいなのがいないとストーリーが回らないのでしょう。彼は”妖怪探偵団”とかやっているくせに、本心では妖怪を信じていないと思えます。フィクションの世界で遊んでいるつもりなのでは。　作家から「逢魔が時には外に出るな」と注意されていたにも関わらず、守る気は全然ありません。

「逢魔が時」とは、午後6時ごろです。「大禍時」が転じたものと言われ、つまり不吉な時間ですね。妖怪が活発になり、かつリクオは変身できないということで、リクオにとってはまさに「大禍時」でしょう。

この作品の最大の魅力は、”出入りシーン”のカッコよさでしょう。怖い妖怪で緊張感を溜め、リクオと手下たちの大暴れででスカッとさせる手法です。今回はスカッとするには至らなかったですが、つららを守ろうとするリクオの、きっぷのいい名乗りは良かった。あれだけ組を継ぐのを厭がっていながら、やはり血は争えません。

リクオはなぜか刀を持っていました。 鍔の無い”長ドス”で、同様のものを夜リクオも持っていたので、力が一部発動したのでしょう。「逢魔が時」だけに、昼リクオと夜リクオの中間的な存在なのかも。

つまり、昼リクオと夜リクオは、別人格というわけではなく、同じ人格の別の現れ方なのでしょうね。だから中間もある。そうであるべきだと思えます。別人格ではリクオの成長ストーリーにならないですから。 　

次回はスカッとさせてくれるでしょう。カナは一人でリクオたちの後を追っていますが、どういう形でリクオを見つけるのかが気になるところです。

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