メルクマール

オープニングは『スパイ大作戦（Mission Impossible)』のパロディですね。昔のテレビドラマにこだわるのかな。このパターンならば、『６００万ドルの男』とかやりそうだ。「左目はテレスコープ。右腕は銃を曲げコンクリートを砕くアトミックパワー。そして時速百キロで突っ走る、６００万ドルの男、サイボーグ！」というやつです。

例によってハチャメチャなノリです。エリスと真奈美は、今回もパラシュート降下、パワーボートで特攻、銃撃戦と大活躍でした。パワフルすぎる…

エリスのパワードスーツは、やはりドギーシュアの技術だったのですね。ドギーシュアに対して攻撃できないようになっているという設定は、ロボコップを思わせます。ロボコップを作ったオムニ社の役員には警察権を行使できないという制約がつけられていました。　フェアなやりかたとは言えず、ドギーシュアは地球と対等な立場で交易するつもりが無いことがわかりますね。技術の内容は開示せず、ブラックボックスの武器を売りつけているだけなのでしょう。

一方で、エリスたちキャーティアは、服務規程で「神を名乗ることは禁止されている」とのことで、つまり他文明と対等に付き合わなければならないというポリシーがあるのでしょう。ドギーシュアとは対照的だと思えます。

アオイは、スーツの制約を切り抜けるために、狙いを外して撃って、その銃弾をアポーツで転移させ、敵のスーツの制御ユニットに当てたということなのかな。自分も同じスーツを使っているので、弱点を知っていたと。　よく考えられた展開ですが、ちょっとわかりにくかったかも。

アントニアは、エリスたちをさらってどうするのかと思っていたけれど、つまり友達が欲しかったんですね。特殊な環境で育って、周囲に友達がいなかったので、いつしか「どこかに猫耳の女の子がいて、その子となら友達になれるはず」と夢想するようになったのでは。　涼宮ハルヒと似た境遇かな。彼女も、周囲の子とちょっと違うために疎外感があり、その寂しさを宇宙人や未来人を夢想することで紛らわそうとしたのでした。　２Ｐ用のボタンが撤去された対戦筐体が、アントニアの寂しさを端的に表していました。

アントニアの船はすごいですな。ファランクス（対空機銃）や砲塔を装備で、ほとんど軍艦です。ちなみに、客船は速度が速いので、軍艦に転用されることはよくあり、イギリスの大型客船は戦時に武装できるよう設計することが義務づけられている、と聞いたことがあります。有名なクイーンエリザベス２世号も、フォークランド紛争時にイギリス海軍に徴用されていました。

アントニアの船は２５万トンもあるそうで、ジョーが「ちょっとしたタンカー並」と言っていましたが、そのセリフは実はあまり適切ではありません。”トン”にもいろいろあって、タンカーなど貨物船は、荷物の積載量を”積載トン数”で表します。トラックと同じですね。　一方で客船などは、船の容積を”総トン数”で表します。同じトン数ならば、貨物船のほうがだいぶ大きいのです。

そんなことはどうでもいいのですが、沈みゆく船を背景に、アオイと脱出するラストシーンはなかなか感動的で、絵になりました。タイタニックのハッピーエンド版のような。

ポチッとして頂けると励みになります！↓