メルクマール

エルタリア公爵（元首）が、神殿騎士団のために慰労パーティーをする話。エルタリアと神殿騎士団は、どういう関係なのだろうか。以前に書いたように、僕はエルタリアはヴェネツィア、神殿騎士団はテンプル騎士団がモデルだろうと思っています。テンプル騎士団は、国家とは独立した修道会による騎士団で、そもそもは十字軍遠征のために結成されました。

やがてテンプル騎士団は、十字軍士や巡礼者のため、手形サービスを行うようになります。ロンドンやパリでお金を預けておけば、聖地で騎士団の手形でお金が引き出せるというシステム。当時は国際銀行なんて無く、現金を持ち運ぶしかなくて、それは非常に危険だったので、このシステムは歓迎され、大きくなっていきます。そうするうちに、ヨーロッパ中で銀行業務をするようになり、王侯貴族にも融資する世界最大の銀行に育ち、政治力も持つようになりました。

この物語での『神殿騎士団』が、そういう存在なのかはわかりませんが、国家と対等な付き合いをするくらいではあるようです。慰労パーティーをするくらいですからね。神殿騎士団は、エルタリアではアーティファクトの警護を担当しているようです。

そもそも、あのアーティファクトは神殿騎士団の持ち物なのかも。テンプル騎士団は世界中からキリストの聖遺物を集めていて、”聖杯”も所有していたという伝説があります。神殿騎士団が、その財力と組織力で世界中からアーティファクトを集め、管理していたとしても不思議ではありません。でも、その目的は何でしょうか。

テンプル騎士団にこだわるのは、中世の歴史物では、テンプル騎士団が悪役に回ることが多いからです。史実でもそうだったかはわかりませんが、”謎の巨大組織”ということで、敵として分かりやすいからでしょう。この物語での神殿騎士団はどうなのでしょうか。今のところは味方に見えます。チェルシーは「エルタリアに訪れる災い」を沈静化するために派遣されたそうだし。

チェルシーは、これまではボケ役でしたが、当番回ということで見せ場を作りました。レスターに「思いっきり楽しんできて下さいね」と言われただけで、眼をうるませるほど感動して、その言葉の通りに楽しもうとがんばるのが可愛いところです。その控えめな様子と、戦闘での凛々しさのギャップが良いでしょう。

そのチェルシーが、敵に回るとしたら切ないですが、もしそういう設定があったとしても、アニメではそこまで突っ込んだ話にはならない気がします。チェルシールートでは無いでしょうし。

戦闘シーンはよかったですよね。敵の性質を見破り、レスターとチェルシーの信頼関係で倒すという、なにげに熱い展開でした。

コスプレサービス回でもありましたが、アーティファクトの重要性と、晶石モンスターの異常発生を再認識させたということで、今後の伏線になっているのでしょう。

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