メルクマール

友達として仲が良いほど、恋人になるためのハードルは上がるものです。逆説的ですが。　というのも、『恋人』になるためには、非日常的なことをいっぱいやらなきゃならないわけです。普通に考えたら、恥ずかしくてたまらないようなことを。キスしたり、愛の言葉をささやいたり、さらには裸になってくんずほぐれつとかですよ？　日常とは違う自分に切り替えないと、やっていられません。

でも、親しい友人というのは”日常”そのものなので、”非日常”に踏み込むのにより勇気がいるし、我に返ったりもしがちです。　純一と薫は悪友と呼び合うほどの仲ですから、そのハードルはかなり高いと思え、どうやって乗り越えるのかが注目点でした。

薫は、純一を異性として意識し始めたけれど、”悪友”としての関係からどうやって変われるのかは分からないでいます。それを変えるキッカケとなったのは、アクシデントでした。

おそらく薫は、自分と純一の気持ちを確かめるために、キスのマネごとをするつもりだったのでしょう。ギリギリまで近づけて、やめて、「さぁどう感じた？」とやるつもりだったのかと。　でも、純一が暴れたために、本当にキスしてしまったと。

このときの薫の慌てっぷりは可愛かったですね。普段の気さくで強気な様子と、恋愛にウブな様子とのギャップが、彼女の魅力です。

我らが変態紳士、純一君は、このアクシデントを最大限に活用します。「仕返しする」というよくわからない理由で、フェティッシュなプレイに及ぶことに成功しました。これはナイス作戦だと言えますね。「恋人になるために必要な、非日常なこと」を少しづつやっておいて、慣れさせる作戦です。これによって、友達から恋人になるためのハードルは下がるでしょう。

この行為そのものはどうかと思うけど、ハードルを超えるためには、ある程度のリスクを取ることは必要です。「へそにキスする」でドン引きされる可能性もあったのですが、純一は賭けに勝ちました。

でも、元のハードルが高かったので、依然としてハードルはあります。さらになにかキッカケが必要だと思えますが、薫の母親の件が、それになるのでしょうか。　純一君の奮起に期待したいところです。

例によって、他のメインヒロインのシーンを織りまぜてきますね。今回も、絢辻詞が印象的でした。薫は男子に対して喧嘩腰でしたが、詞は冷静に言い分を聞いて反省させており、対称的です。こういう描写が、今後効いてくるのでしょう。

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