メルクマール

あのナレーションは、言うまでもなく『スタートレック』のパロディですね。オリジナルはこれです。音楽も似せているのが面白いところ。

「最後のフロンティア」ではなくて「最後の開拓地」と訳しているのが渋い。最初のシリーズに準拠しています。”宇宙大作戦”という邦題が付いていた頃です。　

あまり関係無いですが、アメリカのPCショップで”スタートレック・キーボード”というのを見つけて、なにがスタートレックなのかなと思ったら、スペースバーのところに "Space, the final frontier" と書いてありました。

この作品は、”逆スタートレック”ってことになるのでしょうか。キャーティアが惑星連邦所属の調査船で、地球が調査される側で。となると、ドギーシュア（犬の人）は惑星連邦と対立するクリンゴン帝国か。

ただ、”惑星連邦”みたいな、多種族による連合国家があるようなことは言及されていません。”銀河知性連盟”という言葉は1話で出ましたが、これは、「精神生命体にまで進化した、オルソニア人に指揮された特殊な組織」とエリスは言っており、連合国家とは違うのでしょう。国連安全保障理事会みたいなものか。

”オルソニア人”というのは、E.E.スミスのSF、『レンズマン』に登場する、”アリシア人”を思わせますね。やはり、精神面が著しく発達した種族で、基本的には隠居しているけれど、特殊な精神デバイスである”レンズ”を与えることで、銀河パトロール隊を支援している、という設定でした。

ドギーシュアが、銀河知性連盟の支配下にあるのかは、気になるところです。それに対抗できる別グループの所属なのか、あるいは銀河知性連盟の影響下だけれど、目をつけられないようにやっているのか。

エリスは「宇宙のルールでは、犬の人との交流は密貿易ですよ」と言っていたので、キャーティアとドギーシュアは、種族だけでなく、属するグループも別なのかもしれません。

ドギーシュアは、米国と単独に国交を結んでいて、米国はその利益の独占を目論んでいるわけですが、日本政府はどうなのでしょうか。アオイの装備はオーバーテクノロジーだったので、日本政府も宇宙人技術を持っていると思われます。米国からのおこぼれを貰っているのでしょうか。日本政府のキャーティアへの煮え切らない態度はそのせいか。

キャーティアの国旗は、ハヤカワSF文庫のマークをパクっているような・・・

あの「シシシシ」と笑っていた犬は、明らかに”チキチキマシン猛レース”のケンケンですな・・・

 アオイの所属が”入国管理局”というのは面白いですね。入国管理局は、外国人の入国を審査したり、不法入国を取り締まったりする機関ですが、法務省の傘下なので、とちらかといえば”取締り”重視だと言えます。入国警備官は武装していて、逮捕権もあります。宇宙人に対抗するために”入国管理局”が出動するというのは、アリかもしれません。

”アポーツ”は、SFというよりはオカルト用語だと思えます。「モーゼが天からパンを降らせた」というようなヤツですね。SFでは、テレポーテーションと一緒にされていることが多いのでは。”禁書目録”でも、物体引き寄せ（アポーツ）は低レベルのテレポーテーション能力、という扱いでした。

ラブコメのシチュエーションにもいろいろありますが、”大使館ラブコメディ”というのは新しいかもしれません。大使館に振りかかるトラブルを切りぬけつつ、交流を深めていく、というストーリーになるのでしょうか。　

真奈美が気になりますね。かつては騎央が好きだったけれど、ある時から騎央が自分を女だと意識しなくなったのを感じたので、脈が無いと諦めてしまった。でも今回、騎央が「真奈美には彼氏がいる」と勘違いしていたことが明らかになり、「もしかして」と真奈美の心は揺れ始める、という状態です。はてさて。

そんなわけで、ラブコメあり、アクションあり、サービスありと、いつもどおり盛りだくさんな内容でした。原作ストックはたくさんあるようなので、ハイペースで進むのでしょうか。

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