メルクマール

田中公平さんがテレビアニメの音楽をフルに手掛けるのは久しぶりじゃないでしょうか。Aパート冒頭の、夜リクオと牛鬼が対峙するシーンで、これぞ田中公平という壮麗な音楽を聞かせてくれました。

この曲のメロディが、全体の主題なのでしょう。アイキャッチでも使われているので。メロディは綺麗だけれど、マイナー調で寂しいんですよね。冒頭のシーンでは、金管楽器やストリングスで壮麗に盛り上げていましたが、最後はオーボエが物悲しく主題を奏でて締めくくり、今後の展開を暗示するようでした。

たぶんこの物語は、強い妖怪になってバッタバッタと敵を倒す冒険譚、というよりは、妖怪として生まれた悲しみと、それに向き合うことの葛藤と成長を描くものなのでしょう。音楽を聴いていて、そう思いました。

ところでこの曲、、、ハリーポッターのテーマと似てますな。似たテーマのストーリーだからかもしれない。あちらも、強い力を持って生まれたが故に葛藤する物語です。

ぬらりひょんって懐かしいですね。そもそもマイナーな妖怪だと思いますが（伝承でもほとんど語られていないらしい）、有名になったのは『ゲゲゲの鬼太郎』のおかげでしょう。鬼太郎の対抗勢力の妖怪たちを束ねるボスでした。つまり悪役のイメージなので、それが主人公というのは不思議な感覚です。

妖怪の長になって、そしてどうするのか。妖怪と人間との関わりが気になります。おいおい明らかになるのでしょう。牛鬼は、妖怪は人間から畏れられる存在であるべきと言っていましたが。

それほど内容は濃くありませんが、シリアスなシーンと日常の軽めのシーンのバランスが良く、飽きさせませんでした。ヒロインたちもいい感じです。安定して楽しめる一品になりそうです。

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