メルクマール

ニコニコ動画に『琴吹紬について、１０分以上語る総統閣下』という動画があり、勧められて見たのですが、謎の感動がありました。ラストの盛り上がりが凄いです。

総統閣下によれば、「ムギが新しい経験に喜び、夢中になる姿から教えられるモノがある」ということで、それは本当にそうだと思いますね。そしてその感覚は、子育てに近いでしょう。

僕は小学生の娘がいるのですが、まだ年若い彼女にとって、新しいことを知ったり体験したりすることの感動はそこらじゅうにあります。娘といると、世の中が驚きに満ちていることを思い出し、自分の子供時代を追体験しているような気持ちになれるのでした。それこそが、子育ての醍醐味だと言えます。

無邪気なムギを見ていると、娘を見ているようで可愛いし、何気ない日常にも楽しいことはたくさんある、と思い出させてくれます。友達とじゃれあうことは、それが出来るうちは貴重だと思わないけれど、とても幸せなことなんですよね。それにこだわるムギの姿に、軽音部の他のメンツも、友達の大切さを再認識したのではないでしょうか。

総統は”ムギの成長”についても熱く語っていますが、確かに５人の中で最も目立って成長したのは彼女でしょう。唯もかなり成長していますが、表面上はあまり目立ちません。ムギは明らかに積極的になって、今回は完全に座の中心でした。でも他人を押しのける積極性ではなく、基本は”他者の行動を受けて自分も行動する”というリアクション待ちの姿勢で、その奥ゆかしさも魅力と言えます。奥ゆかしさとノリの良さが同居した、ユニークなキャラだとは以前にも書きました。

というわけで、今回はムギ回だと言えますが、それが主題だとすれば、副題は唯のイチゴの話ですね。主題と並行して、唯がイチゴにこだわるエピソードを何度も出し、ムギがイチゴを食べたシーンで主題と副題が合体しました。このあたり、とても技巧的な脚本だと言えます。ゲーセンに行き、夏期講習に出た、というだけの日常話でこんなにも面白くなるのは、素直に凄いと思うのでした。

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