メルクマール

血液型性格診断というやつを、僕はあまり信じていません。というのも、科学的根拠は置いておくとしても、僕はA型なのに”A型の性格”が当てはまらないからです。どれが近いかといえばAB型ですね。クールに見えるけど実は感情的、とか、有能そうだが雑なところもある、という性格だそうで、僕はそんな感じです。つまり二面性ですね。AとBが混じってるから二面性、というのも安直な話ですが。

梓は、いわゆるAB型っぽい性格だなと思って、Wikipediaを見るとまさにそうみたいですね。軽音部の部室では、先輩たちの手前、きちんとしていますが、家ではリラックスしていて、だいぶ雰囲気が違います。象徴的なのは、プールの待ち合わせに遅れてきたことで。　

前回の夏フェスでは、先輩を待たせるわけにはいかないので一番に来ていましたが（実は唯はいたけど）、今回は気の置けない友達が相手ということで、油断すると遅刻してしまうわけです。準備をしながら、ぼーっとあれこれ考えていて、気が付いたら時間ぎりぎりになってしまう、というタイプでしょう。”Ａ型的な人”は無意識にスケジュール管理できる几帳面さがありますが、梓みたいなタイプはそれが出来ないんですよね。わかります。

ちなみにこのシーン、憂は時間きっちりに来たことでしょう。純は既に待ちくたびれた風なので、楽しみなあまりに早く来すぎたと想像します。

憂に「梅と桃、どちらがいい」と聞かれた時も、遠慮なく「梅」と自分の好みを張していて、あまり気を使っていません。友達だからそれでいいわけですが、軽音部での先輩との接し方とはかなり違っていて、二面性を使い分けていると感じます。

そういう面を描写したことで、梓というキャラクタのリアリティが増すとともに、「本当に親しい友達にしか見せない、梓の一面を見ることが出来た」という嬉しさがありますね。なので、今回は本当に何にも無いエピソードでしたが、なんだか満足してしまいましたよ。これが見れたからいいや、という。

何気ない日常を描きつつ、端々に成長テーマを織り込むのがこの作品で、今回も梓が”来年”について考えるシーンがいくつかありました。今は先輩に引っ張られて（流されて）いるけれど、いつか先輩たちはいなくなってしまう。そのことをそろそろ真面目に考えなければならない、という。

お祭りのシーンで、唯は梓の手を引こうとしたけれど、梓はためらって、結局唯たちとはぐれてしまいます。引っ張られているだけじゃダメなんじゃないか、という気持ちが、あのためらいを生んだのでは。

そのあと、純に「今からでも、軽音部入らない？」と聞いたのは、彼女の確かな成長を表していました。次世代の軽音部を担う責任が、芽生えてきたのでしょう。梓のちょっと油断した面と、頼もしい面の両方が見られた回でしたね。

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