メルクマール

高千穂勲の背景や動機が、だいたい判ったと思えます。彼は先代預言者の婚約者で、その女性に託された預言で行動しているのですね。日本が第二次大戦に「最悪の形で」敗れた未来を知り、そうならないように歴史を変えようとしている。

高千穂の婚約者は、預言者としての掟を破って、高千穂に未来を見せた故に亡くなったらしい。彼の動機には、彼女の死を無駄にしないという想いもあるのでしょう。

しかし高千穂は、アジアの平和のためという大義を持ちつつも、日本中心の考えから脱却できていないと思えます。満州を活用して、日本の国力をつけることが必要だと考えているようですが、それは欧米諸国がアジアの植民地にやっていることと変わりがありません。一方で、棗が農夫と会話をするシーンに尺があてられており、日本が満州の侵略者であることが印象づけられていました。これは伏線になるのでしょう。

桜井は高千穂と繋がっていたわけですね。なるほど、そうであればいろいろ辻褄が合います。前回、「ロシアの船を調査する」という名目で港に張り込んでいたのに、”偶然”高千穂と会ったのが不思議だったのですが、そもそも高千穂と会わせるための口実だったのでしょう。葵はそのことに気付いたのか、桜井を既に疑っていました。

桜井の狙いは何でしょうか。高千穂の一味なら、なぜ部下と戦わせるようなことをしたのか。でも考えてみれば、あまりガチに戦ってはいないのですよね。高千穂と戦っているように軍に思わせつつ、スパイしていたのかも。となると、葵たちが高千穂と争う理由は無いことになりますが。

ただ、高千穂は新型爆弾を使うつもりのようで、これについては見解の相違があるでしょうね。「戦争を防ぐために核を使う」ことは許されるのか。難しい選択になりそうです。何といっても葵が主人公なので、彼の選択に注目するべきでしょう。

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