「物語」の終わりには何があるのか。いちばんうしろの大魔王 第11話 『女たちの最終決戦』 の感想です。
アバンから驚かされました。あの金髪の女性は、けーなの生まれ変わり?か何かですよね。けーなに時々現れる別人格の主、という感じです。 その女性が、怪物みたいなものとキスしていましたが、あれは魔王でしょうか? あの女性は”自動律”だそうなので、魔王と自動律が結ばれたということか。
「彼女(自動律)と単一者の契約をすることで、神々を支配するための筺体(?)を手に入れることができる」 と望一郎は言っていました。つまりこの時、魔王は神々を支配したのかな?
さらに、ラストで明らかになりましたが、魔王は神々によって作られるそうです。魔王は神の敵ではないのか? 望一郎は「神々は支配されることを望んでいる」とも言っていました。つまり、システムが自らの支配者を求めて、魔王を作り出しているのでしょうか。
望一郎はそれを阻止して、自らが神を支配しようとしているようです。つまり、彼が魔王になろうとしているのでしょう。そのためにけーなを必要としている。 こうして見ると、どちらかといえば阿九斗は体制側で、望一郎が反体制側とも言えます。表向きの立場とは逆なのが面白い(ややこしい)ところですが。
阿九斗は、なぜけーななのかと聞かれて「彼女が僕の物語をはぎ取ってくれるからさ」と言いました。彼はこれまでも何度か、”物語”と”いう言葉を使っています。まず神について、「単なるシステムにすぎないものに、人間が物語を作ったにすぎない」と言っていました。また9話では、「神が人の暗殺を命じる、そんな物語を僕は終わらせる」と言いました。彼にとって”物語”とは”幻想”と言い換えてもいいのでしょう。 「その幻想をぶち殺す」ってやつです。
彼は子供のころから、神という物語に疑問を持っていましたが、それに対して具体的にどうすればいいかは悩んでいたのでしょう。とりあえず、大司教になって中から変える、という穏便な方法を採ることにしました。でも、神とその信者がけーなを殺そうとしたことで、この厄介な”物語”は、そんなことでは壊せないことを思い知ります。それこそ”物語”(幻想)だったと。それがこのセリフ、「彼女が僕の物語をはぎ取ってくれるからさ」になるのでしょう。けーなのためだけでなく、自分の人生の目的(「その物語をぶち殺す!」)のために行動しているのです。
神が強力な魔王の登場を待っているとしたら、阿九斗の奮起は神にとって望むところなのかもしれませんが、阿九斗はどう思っているのでしょうか。いずれにしても、その前に望一郎を倒す必要があります。また、ブレイブとの対決も。ブレイブは状況に流されて混乱しているように見えますが、その状態で阿九斗とガチで戦えるのか。今回は女性の戦いが熱かったので、次回は男たちの熱い戦いを期待します。
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・Pぼん」っぽく?
金髪のけーなみたいな人物の名前はED観ると須藤理夢となっていたので、ぼんの先輩であるリームが元ネタっぽいですし
それが望一郎の根っこにある自分でも気付いて無い個人的な願望なのでしょうね
まあ魔王と自動率がツガうと人類が補完的全滅するから
それを阻止するために片道キップで跳んで来た最期の一人じゃ
色々いこじに成るのも仕方ない…のかな?
「T・Pぼん」は知りませんでした。かなりマイナーな作品みたいですね。作者は相当にディープな藤子不二雄ファンなのでしょうか…
■ホウメイさんコメントありがとうございます!
人類が絶滅しちゃうんですかね?魔王は言ってることは正論なので、彼が世界の支配者になれば、案外いいのではと思っていました。
誰が正義で誰が悪役なのか、わかりにくいお話ですね。「正義も悪も相対的なもの」と言いたいのでしょうけれど。