総集編でしたが、”預言者”の目から語られたことで、見えてきたものがあるように思えます。閃光のナイトレイド 特別編 『預言』 の感想。
これはきっと、歴史の「IF(イフ)」を扱う作品なんじゃないかなと。 IFものといえば、「もしミッドウエー海戦で日本が勝っていたら」がポピュラーで、繰り返し、小説や漫画のネタにされています。例えば『ジパング』などかがそうですね。なぜネタになるかといえば、太平洋戦争の分水嶺であり、勝てたはずの戦いで、ちょっとした不運とミスでボロ負けしたのが、よっぽど悔しいからでしょう。でも仮にミッドウエー海戦で勝ったとしても、最終的に日本が戦争に勝てたとは思えませんけれど。
「日本が第二次大戦に負けた」という歴史を覆したいのであれば、そもそも戦争にならないようにするべきでしょう。その分岐点がどこにあったかと言えば、確かにこの物語の時代、1930年代だと思えます。
”大アジア主義”という用語が出ましたが、これは本来、アジアを日本の植民地にする、という話ではなく、アジア各国が連携して欧米列強の植民地主義に対抗するべきで、日本がそのまとめ役をしよう、という思想でした。でも関東軍はそれを生ぬるいと考えたのか、満州を植民地化するべく、独断で陰謀を働きます。それが満州事変でした。
これにより、欧米各国は日本の野心を警戒し、それは日華事変(やはり関東軍の暴走)で決定的になり、日本は国際的に孤立して、世界大戦に追いこまれていきます。欧米のやり方にも問題が多々あるけれど、日本が先に手を出したのは事実でしょう。
この物語は、そうならないためには日本はどうするべきだったか、というIFが語られると思えます。”預言者”は、日本が世界を相手に戦争して、ボロボロに敗れる未来を知っており、そうならないように歴史に干渉しているのかもしれません。高千穂勲も、それに関係しているのかも。
その物語に、桜井機関の面々はどう関わってくるのか。次回は舞台が満州になるようです。 ところで、本来の7話である『事変』は、テレビで放送されず、公式サイトでのストリーミング公開だそうですね。”満州事変”は政治的に微妙なテーマで、この物語は作者の歴史観が強く出ちゃっているので、7話はやりすぎたのかもしれません。
今回、DVD/BD収録の『第0話』からと思われる映像が多くありましたね。良さそうなのでBDを予約しました。雪菜のために買いますとも。
余談ですが、『預言』と『予言』は意味が違うのではと思っていました。前者は「神の言葉を預かった人」の意味のはずで。そこを突っ込もうかと思い、念のため調べたところ、Wikipediaによると両者は漢語としては同義で、ただし宗教語としては違う意味で使うことがある、だそうです。うろ覚えで書かなくてよかった。
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