メルクマール

これまで、歴史的背景について劇中であまり語られなかったのですが、今回はがっつり語っていました。説明的で地味だったかもしれません。

付け加えるとすれば、この時代、日本がアジアに影響力を及ぼそうと必死だったのは、「そうしないと生き残れない」という思いがあったからです。1930年代はブロック経済の時代で、イギリス、フランス、米国といった列強は、自国と友好国（植民地含む）で経済ブロックを形成し、ブロック内では自由に貿易し、ブロック外とは関税を高率にしました。列強が、自分の植民地から効率よく富を吸い上げるシステムですね。

天然資源の少ない日本は、貿易しなければ生きていけないので、どこかのブロックの配下に入るか、さもなければ自分でブロックを作るしかありません。列強の配下に入るのはすなわち”植民地化”を意味するわけで、なんとか自分の経済ブロックを作ろうとがんばっていたのが、この時代の日本です。

高千穂勲は、何を考えているのでしょうね。彼の言っていることは正論ですが、抽象的です。要するに何がやりたいのか。彼は葵に、「ここで選択を誤れば、大きな戦争と悲劇の中に国民は飲み込まれることになる」と言いました。

ブロック経済は、世界を列強のエゴで塗り分けることなので、軋轢は避けられず、第二次大戦の原因になりました。高千穂はそれをも見越して、従来の大アジア主義のような『経済ブロック化』ではない方策を、平和のために指向していると考えるのは買いかぶりすぎか。

そもそも彼の一味は、3話ではデパートに爆弾を仕掛けたりして、まるっきりテロリストだったので、今回の様子とはうまく繋がりません。なにか裏があるのでしょうけれど…

謎と言えば、日傘の女性も謎ですね。桜井機関を助けているようにも見えますが。

もうひとつ地味な回でしたが、気になる伏線が散りばめられました。いよいよ本題なのでしょう。

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