メルクマール

バナナの皮で滑って転ぶというギャグは、Wikipedia（英語）によると、少なくとも1898年からあるようです。まさに”古典的”。蕎麦をかぶるギャグは久しぶりに見た…

橋の下の住民は、得意分野を仕事にしていて、それを分配することで生活が成り立っている。共産主義的と言えますね。かつて共産主義の理論家は、人々が平等に働いて、それを平等に分配することで、資本家に搾取されないユートピアを作ることができると考えました。

でも共産主義には前提があり、それは人々が善意を持って、喜んで働くということです。「働かなくても、分配は受けられるんだから一緒じゃん」と考えて働かない人が増えると、機能しなくなってしまう。共産主義国家が次々と衰えたのは、それが原因でしょう。中国は政治的には共産党の一党独裁を行いつつも、経済には資本主義を取り入れることで発展しています。

資本主義は、経済成長させるには良いシステムですが、それ自体が目的になり、肝心の”人間の幸せ”が置き去りにされているという面はあります。競争原理で成り立っているために、競争に負けた人にとっては辛いシステムでもあり。

橋の下は、都会の生活に疲れた人が辿りつく、都会の中にあるユートピアなんだろうな、と以前に書いたのですが、まさにそれですね。みんなが喜んで仕事をして、それで経済が成り立つ社会は、昔の共産主義者が夢見た「ユートピア」そのものだと言えます。

リクは、資本主義社会での”勝者”のはずですよね。だから、橋の下には似つかわしくない存在なのだけれど、でも彼は、ここを居心地が良いと感じ始めているのでは。　彼にも、無理している部分があるからでしょう。そして、そういう”無理”は誰にでもあるので、共感できるポイントになっているわけです。

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