メルクマール

臨也によれば罪歌は”妖刀”とのことですが、その実体は不明です。刃物は登場したけれど、その都度違うもののように見えるので、あれが罪歌ではないでしょう。今回贄川が使った刃物も普通の包丁でした。実体はあまり関係なくて、人に憑依する霊体のようなものが”罪歌”なのか。

贄川は罪歌に操られていて、”内なる声”に従って杏里を監視していたのに、静雄を見つけるとそちらに目標を変えました。行き当たりばったりに見えますね。以前は、チャットで母親にこだわっていたし。

罪歌が支離滅裂である理由は、罪歌は実は固有の自我を持っていなくて、多くの人々の”情念の集合体”だから、というのが僕の仮説です。静雄にこだわりはじめたのは、贄川に憑依したことで、贄川の情念が罪歌の目的になったから。

5話で、贄川の娘で罪歌に憑依されていることが仄めかされていました。娘は、例の教師が以前に付き合っていたという”贄川さん”でしょうね。まだあの教師のことが好きで、その教師が執心している杏里を恨んでいるのではないか。

だとしたら、前回襲われたときも杏里が目的だったはずで、なぜ杏里は無事だったのか、というのは謎です。

杏里の過去が、少し明らかになりました。切り裂き魔の話題が出るたびに表情が陰っていたのは、両親が犠牲になったからなのですね。でもそのことと、最近になってまた狙われていることが無関係とも思えません。

そもそも、あの”幸せ家族”の夢は、あまりに作り物めいていて不自然です。実は両親とは生前も幸せな関係ではなくて、あれは”わたしのかんがえたしあわせなかぞく”の図ではないでしょうか。彼女の過去に何があったのか、まだまだ謎ですね。　いよいよ杏里が、物語の焦点になりつつあるようです。

贄川がいた病院で、正臣がちらっと映っていましたね。あの女性が入院しているのでしょう。こちらの伏線も気になるところです。

緊迫した展開ですが、セルティのシーンがユーモラスで、一服の清涼剤になっています。最初のころのセルティは、まさかコメディ担当になるとは思いませんでしたが。いいキャラですね。

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