メルクマール

「こんなに星が大きくては、人との距離の測り方がわからない」というモノローグは、星に責任転嫁しているのが大げさだけれど、生きていく上で大きなテーマではあります。人によって上手い・下手はあるし、状況にもよるでしょう。仕事での距離の測り方はうまいけれど、異性とは苦手、とか。

リク君は、少なくとも異性との距離感がすごく悪いようで、女性にモテモテなのに、デートすらしたことがないらしい。おそらく、相手から飛び込んでこられるのが苦手なのでしょう。人はみな、”パーソナルスペース”と呼ばれる”縄張り”を持っていて、親しくない人がそのスペースに入ると不安感を抱くのですが、リクのパーソナルスペースは鉄壁です。

そんなリクにとって、ニノは貴重な存在なのかも。ニノから至近距離に入ってくることは無くて、リクがアプローチしないと何も起こらないし、アプローチしてさえ思い通りにはならない。リクとニノは、「距離のいらないもう一人」になれるのでしょうか。

対人関係に縛られているリクに対して、ニノは場所に縛られています。なぜか、河川敷からは出たくないらしい。でも、内心は広い外の世界にあこがれていて、その想いは笹舟に込められています。リクはそんなニノを救うことができるのかな。金星に連れていくことは無理なので、それ以外の手段で。

ニノは無反応だけれども、リクの部屋に潜り込んだりするあたり、リクに親しみを持っているのは確かなのでしょう。イブニングドレスを着て見せたのも、リクに綺麗なところを見せたいという気持ちがあったのかも。そう考えると萌える気がします。

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