メルクマール

OPいいですね。４つ打ちのビートに流麗なストリングスやピアノをかぶせる、麻枝さんらしい曲。　ピアノは”完全楽器”と呼ばれます。メロディ・ハーモニー・リズムを1台で表現でき、さらにオーケストラの音域をカバーしているため、ほとんどの曲がピアノ用にアレンジできるからですね。

そんなピアノは、独りだけで完全な存在である”天使”を象徴していると思えます。天使はその指で、この世界を紡いでいるのでしょうか。

それに対抗するSSSの連中は、”バンド”ですね。ピアノの演奏は完全ですが、バンドは人間が多人数でやる以上、どうしてもズレが生じます。でも良い演奏は、むしろそのズレがグルーブとなって感動を呼ぶのでした。SSSも、そんなバンドになる必要があるのでしょう。

今回はギャグ主体の回ですが、メンバー紹介をしつつ、物語の背景の説明もいくらかして、かつラストは天使との戦闘とギルド崩壊のスペクタクルで締めるという、なかなか盛りだくさんな内容でした。面白かったですよ。

前回の感想で、ギャグのノリがいまいち合わないと書いたのですが、他のブログさんを見ると同じ意見の方が多かったようで。今回は、セリフによるギャグよりはシチュエーションによるものが主体だったので、1話よりは笑えたと思えます。　「そんなところ持てるわけないでしょ！」は良かった。問題のシーンは映さず、”ぷに”とか”バキ”とかSEで表現するのがコミカルで。これは、ゲーム的な演出が良い方に働いているのかもしれません。

一方で、藤巻？が「次はてめぇの番だぜ」と言って、次のシーンで自分が溺れてましたが、その間にCMが入ったのが残念。ここは続けてやるべきでしょう。こういう、細かいところのノリの悪さが気になりますが、脚本のせいなのか演出のせいなのかは分かりません。

ゆりのトラウマ話は、もっと尺を取ってじっくりやりたかったところだと思いますが、1クールに納めるために巻き進行なんでしょうね。ゆりは、消される（転生する？）のが嫌だというよりも、天使に抗うことそのものが目的らしい。他のメンバーの目的も、このように語られていくのでしょうか。

物語世界の設定についての考察は、まだ早いかなと思うので控えておきます。「この世界は電脳空間であり、主人公たちはRPGのプレイヤーのようなもので、天使はゲームマスター」という説があるようですが、僕はあまりその説は採りたくないですね。この作品はそんなゴマカシではなく、もっと正面から”生と死”を語るものになると思う（と期待する）からです。さて、どうなるでしょうか。

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