メルクマール

過酸化水素の分子式はH2O2で、図に描くと右のようになります。ポイントは、水素（H）はつなぐ腕が一本で、酸素（O）は二本あることですね。

美琴は黒子と直接の友達であり、他の二人とは黒子を介しての友達なので、つまり腕が一本です。佐天も同じで、基本的には初春と繋がっています。右の図で言えば水素ですね。

一方で、黒子は美琴と友達であると同時に、初春と仕事仲間なので、腕が二本です。初春も同様で、右の図で言えば酸素にあたります。

なので、四人組は過酸化水素的な構造、だと言えるのですが、この構造の分子は不安定なんですよ。過酸化水素は、熱などの刺激や、触媒（二酸化マンガンとか）に触れることなどで分解して、水（H2O）と酸素になります。小学校で実験しましたよね。

今回、春上衿衣が触媒になり、それにまつわる事件も刺激となって、四人組が壊れ、初春が孤立することになりました。構造的に不安定だったので、仕方ないのかもしれません。

であれば、四人組がまた仲直りするには、この構造を変えるのも手でしょう。どちらかといえばつながりの薄かった、美琴と佐天、および美琴と初春の関係を強化することで、より安定したグループになれるはず。美琴が四人組のハブになるわけです。今回、美琴が佐天を誘ったのは、その一環だと思え、美琴に「自分がまとめなきゃ」という自覚が生まれたのではないでしょうか。美琴の活躍に期待しています。

謎だった初春の能力が明らかになり、「触れているものを暖めている能力」とのことなのですが、僕はこれ、赤外線を出す能力なのではと予想しますね。赤外線は電気ストーブなどで使われているように、物を暖める力を持ちます。

また、赤外線は光合成のエネルギーにもなります。葉緑素は赤外線を反射すると言われていましたが、わりと最近、赤外線も高い効率で光合成に使われることが分かってきました。つまり、初春の頭の花は、その赤外線の力によって光合成を行い、育っているわけです。やはりアレは、生えているのに違いない。

今回の後半は、チャイルドエラーに施された実験についての説明が長々とありました。レベル6を人為的に生み出す実験の被害者だったわけですが、「能力のエキス」を精製し、それを注入して能力増大を図るとは、なんとも乱暴です。当然失敗したわけですが、コントロールできないものの、大きな潜在能力を持っているらしい。

ポルダーガイストは、その被害者たちの暴走が原因だと明らかになりましたが、わからないのは、なぜ被害者たちの居る場所ではなく、離れたところで発生するのかです。衿衣のいる場所で特に起こりやすいようなので、彼女のテレパシー受信能力が、ポルダーガイストの原因になるものを受信している、という可能性が高いのでしょう。となると衿衣は「犯人」なわけで、それが分かったときに初春や他の三人がどう対処するのか、四人組の真価（および進化）が問われるところでしょう。

ポチッとして頂けると励みになります！↓