メルクマール

僕はこの作品のストーリーを、比較的高く評価してきたのですが、今回はお約束展開に終始していて、あまり見るべきところはありませんでした。ウイスキーボンボンで酔って迫り、最後は寝るとか。溺れているところを助けて、人工呼吸しようとした寸前で意識が戻るとか。　まぁここまでやれば、様式美とも言えるのかもしれません。

でも、セルニアのキャラの魅力で、それなりに楽しませるものにはなっていたでしょう。声優さんの熱演の貢献度も高いな。

ラストはちょっとしたサプライズでしたが、ここから恋愛要素が強くなるのでしょうか。そうなるには、セルニアのキャラ造詣に、もう少し深みが必要でしょう。今回、彼女がフレイムハート家の後継者としてのプレッシャーを背負っていることを描き、秋晴がそれに感心するエピソードがありました。この手の、セルニアの心のやわらかいところに秋晴が関わるエピソードが、”恋愛”を描くには必要になります。

また、秋晴は今のところ、セルニアに全く恋愛感情を持っていないので、そうなる過程も描く必要があります。　でも、おそらくそういう話にはならないでしょう。秋晴の役どころは”執事”であり、今のところなんだかんだで、その役割を果たしています。自分は当事者にならず（なっても気づかず）、周囲で起こる悲喜こもごもに巻き込まれつつ、要所でいい働きをする、という今のスタイルでいいのではと思うのでした。

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