メルクマール

今回、背景が都会なのが印象的でした。これまではどちらかといえば田舎町だったり、荒野だったりで、今回も最初のあたりはそうでしたが、ブラック羽川が現れたあたりから、幕張や立川を思わせる無機質な都会の風景に。これは何を意味しているのでしょうか。

忍野が仄めかし、ブラック羽川も遠まわしに（最後は直接的に）伝えようとしていましたが、羽川のネコ化も、忍の失踪も、原因は阿良々木君にあります。この二人は、阿良々木君が最初のころに出会った怪異であり、その経緯から、二人とも阿良々木君に感謝と好意を抱いているはずで。

でも阿良々木君ときたら、その後も怪異を通じて、いろんな女の子と知り合い、ハーレムを充実させる始末。しかも戦場ヶ原とは付き合うし。そのことが、羽川翼や忍野忍の孤独の闇を深くして、今回の騒動になったのでしょう。　「怪異に軽々しく関わるな」というのは、そんな気持ちから出た言葉でしょうね。

今回の背景の”都会”は、その二人の孤独を表していると思えます。都会には人がたくさんいますが、だからこそ孤独が引き立ちます。阿良々木君の周りには女の子がたくさんいて、だからこそ孤独を感じるでしょうね。

話は変わりますが、DVD特典の「あとがたり」を一通り聞いたのですが、そこで登場した声優さんのほとんど全員が、堀江由衣さんの演技を絶賛していたのが印象的でした。特に斎藤千和さん（ひたぎ）と沢城みゆきさん（駿河）の回では、「堀江さんサイコー！」「あの人はすっごいよね」などとえらいテンションで褒めちぎっており、演技派のお二人からそこまで言われるのはすごいなーと。

母性本能に溢れていて、でもどこか手が届かない感じ、がナチュラルに表現できているのが素晴らしいとのことなのですが、確かにそうだなと。そして今回のブラック羽川は、小悪魔で愛嬌のある、でもどこか淋しいピエロのような感じ、が表現されていました。素晴らしいのでは。

原作を読んだのがかなり前なので、細かいところを忘れてしまったのですが、「つばさキャット」の内容をかなり消化した気がします。あと一話まるまるあるわけですが、原作には無いエピローグを付けてくれるとしたら楽しみです。

月火と火燐の次回予告は、もしかしたら今回が最後でしょうか。相変わらず掛け合いが面白い。二人がメインの『偽物語』をぜひアニメで見たいものです。

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